2019/08/10

宗教学の担当であったディッケンズ教授の部屋のドアを私は申し訳なさそうに叩く。

 

ディッケンズ教授は優しい笑顔で「どうぞ!今日はどんなことでいらっしゃいましたか?」と尋ねてくださる。

この教授の優しさに入学した当初、苦しかった時にどんなに助けられたか思い出してしまって、ぐっと喉が詰まった。

 

私は、教授に思い切って「専攻を宗教学から心理学に変えたいんですけど」と伝える。

 

これまでの私の人生の経験だと、優しかった教授が鬼のようが形相になり「なんだ!お前は宗教学で入学したのに、今更その成績で心理学に専攻を変えるなんって許されるわけがないだろ!それだったら退学しろ!」と怒鳴られて「がーん!」となるというパターンだった。

 

しかし、ディッケンズ教授の優しい顔は私の目の前で変わることなく「そうだと思っていましたよ!」と変更手続きの書類を机から出してくださった。「あ!教授は知ってたんだ!」と思わず声が出てしまい、教授は「そりゃそうでしょ!だって大嶋さんは宗教の授業をほとんど取らないで心理学ばかり選択していたわけですから」と言われて「確かに!」と答えてしまった。

 

教授は必要項目をちゃんと記入してくださっていて、書類を渡してくださる時に「大嶋さんはよく頑張っていますよ」と優しい言葉をかけてくださって、私の目から涙が溢れる。教授は私のことをちゃんと見ていてくださったんだ。どうして私は心理学に専攻を変えるんだろう?このまま教授のもとで宗教学でもいいじゃないか!という声が私の中から聞こえてくる。

 

でも、宗教学を専攻するにはギリシャ語とかヘブル語まで勉強しなきゃいけないので「もう私には無理!」という気持ちがあった。英語だけで手一杯なのに、そこから他の言語を勉強して、さらに宗教学を探求する気持ちが全く私の中になかった。

 

おー!やっぱり心理学でいいんか!と教授にお礼を言って、ディッケンズ教授の部屋を後にする。

 

そして、次の難関である、心理学のサイツ教授の部屋の前に立っていた。

後に先延ばしすることもできたが、今やらなければ、宗教学をやめてしまって、宙ぶらりんになってしまうから、そんな立場は自分には耐えられない、と思って「えーい!」と教授の部屋のドアを叩く。

 

するとサイツ教授がラッキーにも部屋の中にいらっしゃって「大嶋さん、どうぞ!」と声をかけてくださった。

 

サイツ教授は、以前授業の時に「生徒の顔を見ただけで、生徒が感じていること、考えていることが伝わってきてしまうから、私は学校の敷地を歩くときは下を向いて歩く」と話されていた。

 

目が合った瞬間に「あ!教授に読まれた!」という感覚が私の中にあった。でも、やっぱり喋らなきゃならないよな、と思って「サイツ教授!宗教学から心理学の選考に変えたいのですが、担当教授になっていただけますか?」と思い切ってお願いしてみる。その時のドキドキ具合は、異性に告白をする時に匹敵するかもしれない、と余計なことを頭の隅で考えていた。

 

サイツ教授は、真面目なのかお茶目なのか顔を覆っているヒゲでよくわからない。

「あれ?大嶋さんの担当教授はカタスキー教授にするはずじゃないんですか?」と言われて、私は軽くショックを受ける。

なぜなら、カタスキー教授は堅物で融通が効かなくて、英語のハンディーキャップがある私に対して他の生徒と全く同じように扱ってくださって、ちょっとしたスペルミスでバツをつけられて、心理学の授業で唯一Cマイナスをつけられた苦い思い出があった。

 

それをサイツ教授は知ってか知らないでか、真面目に真剣な顔をして「カタスキー教授」を出してきたではないですか。

 

私は、心の中でドキドキしながら「サイツ教授に担当をお願いしたいです」と伝えた。

 

すると、サイツ教授は、私に、以前も授業で話したかもしれませんが、大学院で勉強していた時よりも、軍隊で精神科医の勉強をしていた時よりも、この大学で心理学を勉強した時が一番きつかったのですが、大嶋さんはそれでも大丈夫ですか?と聞かれた。

 

確かに、心理学の授業で初日が200人いたのがもう十数人しかいなくなっていて、さらにここから厳しい授業で落とされていくのはわかっていたので「大丈夫!」とは言い切れないが「私はサイツ教授のもとで心理学を専攻したいんです!」と本音モードで伝えてみた。

 

この本音モードは、英語がうまく喋れない私には、いつの間にか武器のようなものになっていた。

 

子供の頃から、相手の気持ちとかを忖度しちゃって、ごちゃごちゃ考えてしまうと「あわわ」という感じで言葉が出なくなってしまう。

英語だとなおさら、教授の気持ちや周りの人たちが私のことをどう思うのか?などを考えてしまうと、頭の中がごちゃごちゃして「英語がうまく話せない!」となっていたのだが「あれ?これって日本にいる時からだよな!」とある時に気がついて「本音モード!」と自分の中で叫んで、本音を喋ると「あ!シンプルな英語が口から出てきて相手に通じる!」という面白い現象が。

 

それで、いつしか「本音モード!」を頻繁に使うようになっていた。

 

本音モードでサイツ教授に伝えてみたら、サイツ教授はにっこり笑って、黙って手を出して「書類を出しなさい」とおっしゃってくれた。ヒゲが邪魔で、この教授ってどこまで真面目なのか冗談なのか見分けがつかない。日本ではこんなヒゲは見たことがないからなおさらだった。

 

教授が必要項目にサインをしてくださっている時に「教授、一つ面白いことを発見したんですけど!」と私が発見したことを教授に話したくなった。まあ、この部屋に入って来る前から、この話をすることを頭の中でリハーサルしていたのだが。

 

一人で勉強をしていた時に、全く勉強ができなくて、遠足で泣いたことをきっかけにみんなと勉強をするようになって、そこから教科書を読んで理解できるようになった、ということを話してみた。

 

するとサイツ教授は「それは大嶋さんの緊張が取れたからですかね?」と私が思っている答えとは違う答えが返ってきてしまった。

 

確かに緊張も関係しているかもしれないけど、勉強ができる人と一緒に勉強をすると、より理解が進み、そうじゃない人と比較すると違いがあるような気がしているんです、と伝えてみた。

 

教授は「大嶋さんが言っているのは、相手とコミュニケーションを取らなくても、一緒にいるだけで相手の影響を受けるということですか?」と質問をしてくださって、やっと通じてきた、と安堵する。

 

サイツ教授は「あ!そういえば、大嶋さんをみていて、ある時から急に英語を喋るようになった転機があったのを私は観察してたのですが、あれは何がきっかけだったんですか?」と質問をしてくださった。

 

私はそれを聞いて「さすが一流の心理学者だな!」とちょっと感動してしまう。

 

教授がおっしゃっている時期を確かめてみたら「あ!あれだ!」というきっかけを思い出した。

 

日本では銭湯も恥ずかしくて入れなかった私が、裸で廊下を歩いてシャワー室になんかいけない、と思って、みんなが部屋に入った頃に誰も廊下にいないことを何度も確かめてから「タッタッタ」と小走りでシャワーを毎日浴びに行っていた。

 

ある夜、シャワーを浴びて、さあ!タオルで拭いてシャワーから出ようと思った時に「あれ?タオルがない!」と焦る。

頭の中で「え?幽霊?」と思ったがキリスト教の学校には幽霊は出ない。

 

「え?これって寮の連中のいじめ?」と誰とも喋ったことがなかったし、みんな白人の中で一人だけの外国人だったので「あー!これっていじめなんだ!」ということを納得してしまって、小学校時代にみんなから背中を突き飛ばされていじめられていた悪夢が蘇ってきてしまう。

 

わなわな震えてきて、そこから「誰じゃ〜!」とシャワー室から私は叫んでいた。

 

「誰が俺のタオルをとったんだ!」と英語で怒鳴り声をあげると、シャワー室の外の廊下から「ざわざわ」という複数の連中の声が聞こえてきた。

 

私は、シャワー室のガラスの扉が割れそうな勢いで「バン!」と開け、そして、廊下に出る扉を蹴飛ばして「誰じゃ〜!」と出ると寮のフルメンバーが廊下の両脇に列をなして座っていて、私が出てくるのを待っていて「わー!ヌードショーだ!」と拍手をしそうになったが、私の怒鳴り声でその拍手がしぼんでしまった。

 

一番近くに座っていたやつの胸ぐらを掴んで「お前か!」と引っ張り上げると「ブルブル!」と首を横に振る。

 

「だったら誰じゃ〜!」と胸ぐらを掴んで持ち上げて、大声で脅しながらたずねる。

 

みんなが裏切るのは早かった。

 

みんなが一斉にそばかすのリックの方を指差す(ルームメイトはすでに寝ていてそこにはいなかった)。

 

私は、掴んでいたそいつを捨てて「お前か!」と裸のままガニ股でそばかすのリックのそばに行って、胸ぐらを掴んで持ち上げる。

 

そんなことでは私の気持ちが収まらなかったで、柔道の絞め技でそばかす顔を青く染めてみた。

 

すると、周りの連中が慌てて止めに入って、その瞬間に学生時代のいじめを思い出して「なんぼでもかかってこいや!」という感じで応戦体制に入る。

 

するとダンが「それはアメリカの戦い方じゃない!」と訳のわからないことを言った。

 

裸のまま「俺は日本人じゃ〜!」と叫ぶ。

 

するとダンが「いや、ここはアメリカだから、アメリカの方式で戦え!」と言われて、ヒゲを剃るときにアワアワを出すシェービングクリームをそばかすのリックと私に渡す。

 

渡された瞬間にその使い方がわかったので、相手がシェービングクリームを手に取る前に、掴みかかり、廊下に投げ飛ばして馬乗りになって「おりゃ〜!」とシェービングクリームを顔に塗りたくる。ちゃんとそばかすのリックの両手を両膝で固定しているので、リックは一切反撃ができないので、鼻の中まで丁寧にシェービングクリームで満たして「もうやらないか!」とそばかすのリックに尋ねる。

 

リックは咳き込みながら「もうやりません!」と言ったので、私は「おりゃ〜!」と雄たけびを上げて立ち上がり、みんながわーっと寄ってきて、私の手を高く持ち上げて、周りでジャンプをしていた。

 

そんな騒ぎでルームメイトのリックが起きてきて「ホールファイトか!ホールファイトだ!」とテンション高く飛び上がっていたが、もう終わった後だった。

 

サイツ教授は、その後から私の英語の話し方が変わった、ということだったら「もしかしたら、社会心理学のアリの2・6・2が関係しているかもしれませんね」と話してくださった。

 

私のくだらない体験談から、アリの話が出てくるとは、と私はサイツ教授の引き出しに感心してしまう。

 

100匹のアリがいても、働くアリは20匹だけ。

その働いているアリを20匹を別の巣から集めて100匹にしても、やっぱり2・6・2になって6割は働いているフリをする、そして2割は全く働かない、となってしまう、という説明をされた。

 

「働いているフリをする」という教授のフレーズに私は「はっ!」としてしまった。

 

脳のネットワークがあって、自動的に2・6・2が割り振られてしまう。

その教授の話で浮かんできたのは、働いている2割のストレスを全く働かない2割が請け負っているのでは?という私のアイディアを教授に話してみた。

 

教授の部屋の壁には、多分、教授がカウンセリングをしたであろう、精神的に病んでいた子供達の絵が飾ってあった。

 

教授は、その絵を見つめながら「それって、もしかしたらあるかもしれませんね」とため息交じりにおっしゃった。

 

私は、アリの2・6・2のように働く家族の犠牲になってきた子供たちのことをサイツ教授は思い出しているんだろうな、となんとなくわかってしまう。

 

私も教授も、ボーッとしてしまって、沈黙が続いたので、私は教授から書類を受け取ってお礼を伝えてその部屋を後にした。

 

なんだか、とんでもないものをサイツ教授からもらってしまったのかもしれない、と思いながら。

 

(つづく)

 

アマゾンの「催眠ガール」(清流出版)のレビューを書いてくださってありがとうございます。

 

新感覚レシピ本、と書いてくださってありがとうございます。専用のしおりまで買ってくださったんですね。わーい!スクリプト!お師匠さんの催眠スクリプトってものすごく美しいんです。こうして書いてくださる皆さんのレビューが知らず知らずのうちお師匠さんの影響を受けて、美しいスクリプトに仕上がっている。家庭的で美味しそうな料理、と言うのと、お腹が空いてきます、というのが綺麗な暗喩になっていますね。読む人の無意識に無意識が働きかけています。かっこいい!

 

その力が本書にはある、と書いてくださってありがとうございます。この本を書くきっかけになったのって、私の一つの勘違いからなんです。今振り返って怖いぐらいの勘違い。この話は書けないので9月の朝日カルチャーの講演の時に話させていただきますね。そして、その勘違いから、本のイラストとかも決まっていったんです。無意識は不思議な方向から働いてくれる。いろんなことがあって、編集者さんが頑張って、このイラストを描いてくださった先生を探してくれて、こんな素敵な本になりました。ゲミ先生にお願いしてよかった〜。多分、気がつかれている方もいらっしゃるかもしれませんが、このイラストって、全く私が「こんな形で」とオーダーをしていないのに、最後のスクリプトと重なっているんです。あのスクリプトとそしてイラストが面白い暗喩を生み出しています。これも忘れなかったら9月の講演で説明させていただきます。相撲部のシーンは書いていて笑ってしまいました。びっくりしたのが、冬の大阪の講演に行った時に、参加者の方からカードをいただいて、そのカードを開いたら「あ!相撲部のシーンそのものだ!」というイラストがあって「え?私の原稿が脳のネットワークでもれている?」とビビったことがありました。あの掛け声が、時々私の中で響いてきて笑えるのよね!「いいよ!催眠!いいよ!」って。一緒に笑ってる〜!さすがです!!本間先生の存在にちゃんと気付かれるなんて。もちろんメタファーで無意識にちゃんと働きかけて届いています。お母様、すごいな〜。昨日も「催眠」と言ったら「洗脳?」と言われて「違うよ!洗脳から解くのが催眠」と伝えても「??」という感じになっていました。名前は私の勘違いのせいで決まりました。この話も面白いです。うー、話したい。呼吸合わせで、自分の方が眠くなるのは「最高です!」なんです。お師匠さんがそうだったですね。ちゃんとスクリプトは書けています。ここに書いてくださっているのが、私はスクリプトとして読んでいて、いつのまにか催眠状態で9月の講演のイメージの中に浸っていました。知らず知らずのうちに、みんなを無意識の世界へと誘いっています。そして、望んでいる方向へと。

 

感謝!!

 

「催眠ガール」を応援してくださってありがとうございます。

 

「催眠ガール」を拡散してくださったら、嬉しいです。

 

どんどん催眠の輪が広がれ〜!「いいよ!催眠!いいよ〜!」。

 

大嶋 信頼

 

 

 


2019/08/09

なんで物理の授業なんかとってしまったのか、初めは自分でもわからなかった。

 

ルームメイトのリックが「ノブ、物理の教授はMIT卒でこの学校で一番厳しい人だけど大丈夫なのか?」と聞いてくる。

 

それは、他の生徒たちが話をしているのを聞いてなんとなく知っていたが「脳のネットワークを試してみる」ということをやる為にぜひ挑戦してみたかった。

 

なぜなら、日本にいた時には全く物理が理解できなかったから。

物理の知識が全くない、頭が真っ白なまま、クラスに入る。そして優秀な人の近くに行ってコバンザメのようにくっ付いて授業を受けてみたら点数が取れるだろうか?

 

子供の頃から「人から嫌われている」とか「気持ち悪がられている」や「私がそばにいると迷惑」という感覚があったから「自分から人には近づかない」という習性がある。

 

「一緒に遊ぼう!」と近づいた時に「あの子と一緒に遊ぶのはやめなさい!」と近所のおばさんから言われていて、ものすごく傷ついたことがあった。いつも、家で母親から、父親から怒鳴りつけられて、泣いてばかりいたので、その声が近所に聞こえていて「あそこのうちの子供はおかしい」ということになっていたのかもしれない。

 

私が親だったら、そんなうちの子供とは遊ばせたくなくなるのかもしれない、と思ったこともあった。

 

だから、いつも一人でいた。

 

学校に入学してからも「みんなでグループになりなさい!」と先生が言った時に「私が入るとみんなから気持ち悪がられる」という感覚があったので「オロオロ」していると自分だけ余ってしまう。

 

ぽつんと一人で惨めな気持ちになって涙目になってしまうから、ますますみんなから「あの子、気持ち悪い!」とグループに入れてもらえなくなる悪夢が私にはあった。

でも、あれは悪夢じゃなくて紛れもない現実だった。

 

物理の教授は噂通り、厳しくてサディステックで「お前らにはこれがわからないだろ!」と物凄い難しい課題を出してくる。

 

私は、同じ心理学専攻の隣の部屋のビルの席の隣に座って、そんなサディスティックな教授の授業を受けていると「そんなの簡単じゃん!」という気持ちになるから面白い。

 

クラスの多くが理解できないようなことを、成績が優秀なビルの隣でビルと同じようなデカイ態度で座っていると「簡単じゃん!」と理解できるようになる。

 

そして、小テストでは順調に点数を稼ぐことができていた。

 

私はそれが、成績優秀なビルの脳のネットワークを使っているから、この点数が取れている、ということを知っている。

 

ある時に、あの悪夢の「グループになりなさい!」と教授がみんなに声をかける。

 

その時に、私とビルは、お互いの顔を見て「勝負だ!」と言って、ビルも私も別々のグループぷを作ることにした。

何にも話し合っていないのに、ビルはいつのまにか私のことをライバル視していた見たい。

 

私は、優秀そうなカナダ出身の新聞部のマークとその他の二人をゲットして「わーい!みんなで一番を取ろうぜ!」と声をかける。

そんなことをするなんて自分でも信じられなかった。

完全にビルの脳に影響されていることを感じていた。

 

ビルのチームは「なんであんな連中を集めたんだ?:というメンバーだった。

 

サディスティックな教授の課題は「3m先で70センチ高いところにある10センチ四方の箱に、輪ゴムで20グラムの重りを飛ばして入れなさい」というもの。

もちろん、輪ゴムを後ろに何センチ引っ張たら、確実に入れられるかを物理の計算をして、計算式もちゃんと提出せよ、とのことだった。

 

そして、教授は2時間授業があるのだけど「終わったグループから帰ってよし!」と言ってしまった。

「こいつらは絶対に2時間で終わるわけがない!」という悪い顔が見て取れた。

だって、一度たりとも、時間よりも早く帰してくれたことはなかったのですから。

 

私は、早速、みんなに計算の割り振りをする。

「マークはこの計算をして!」と伝えて、マークや「よっしゃ!」と引き受けてくれて、他のメンバーには、別の計算を割り振って渡して、できたらお互いに声をかける。

 

出来上がってきた計算を回してチェックしあって「間違いがなし!」ということを確認して「これでいける!」と教授のところに持っていく。

 

教授は「おい!まだ開始から15分しか経っていないのに、お前ら適当にやっただろ!」と嫌味を言ってきた。

 

優等生のマークが「いや、教授!ちゃんとチェックしてください!」と言ったら、教授は「じゃあ、取り合えず箱に入るかどうかやってみてからだ!」と不服そうに言う。

 

計算した距離だけゴムを引っ張って、そして重りを持っていた手を離すと「カラン!」という音が教室に響く。

 

私たちは「やった〜!」とハイタッチをしながら飛び上がる。

 

教授は「いや!そんなわけはない!」と真面目にその結果を信じていなかった。MITの大学院卒なのに。

まあ、お前らにそんなに早く計算ができるわけがない!ということだったと思う。

 

マークが「わかりました!」と自信たっぷりで輪ゴムに重りをつけて、同じように後ろに引っ張って「カラン!」と音がした時に、教室中が「わー!あいつらすげ〜!」という声が響く。

 

教授は「まぐれじゃないのか?」とまだ認めようとしない。

 

そこで、私が「教授、計算式をチェックしてください!」と伝えると、教授は慌てて先ほど提出した計算式を確認しだした。

 

そして教授は悔しそうに「帰ってよし!」と一言。

 

私たちは、わーい!とハイタッチをしながら、カバンを手に取り、後ろを振り向かずに教室から飛び出して、それぞれが自分の寮の部屋へと消えていった。

 

「あれ?もうちょっとお互いに喜び合わないの?」と教室の外に取り残された私はあっけにとられる。

 

まあ、いいか!と私も気を取り直して、自分の部屋に向かって、こんなに時間があるから何を勉強しようか考え始めていた。

 

部屋で勉強をしていると、隣のビルの部屋のドアが開いたのが、私たちが終わって40分後のことだったので「やった!」と嬉しくなってしまう。

 

ビルの部屋に行って「俺たちが勝った!」ということを主張したかったが、まだまだビルの脳を使わなければいけないような気がしていたので、そこはぐっと我慢をする。

 

次の物理の授業の時に、教授が嫌味ったらしく「日本人はチームワークにした時は優秀だが、個人個人の成績は欧米人の方が優れいる」とマジな顔をして説明していた。

 

その時は、トリビア的な感覚で教授の話を聞いていたが、後になって考えてみたら「あれって、私に対する個人的な攻撃じゃん!」ということに気がついてしまう。

 

でも、私はそれが妙に嬉しかった。

 

「やっと対等に扱ってもらえる!」という感じ。

 

「日本人は集団になると強い」というのは「脳のネットワークをうまく利用してお互いの能力を補い合うから」というのが理由なんだろうな。

 

他のグループの連中は、結局、2時間内に箱に入れられなかったグループもあったらしい。

 

計算式が合わなければ、箱に入れるのは難しい。

役割分担をして脳のネットワークをうまく利用すれば計算するのが早くなるはずなのに「自分が一人で何とかしなければ」となっていたから「いつまでたっても計算が合わない」となっていた。

 

子供の頃を振り返って「グループに入れてもらえな〜い!わーん!」と泣いていたことを思い出す。

 

「自分は気持ち悪いから嫌われる」という思いがあって、優秀な子のグループに「入れて!」と声をかけることが出来なかった。

 

あの時、優秀な子のグループに入って脳のネットワークが使えたら、勉強の仕方も変わっていたんだろうな、と思いながらも、この面白い仕組みに気がつけただけでも「よかった!」と思えるようになってきた。

 

でも、この「脳のネットワーク」が本当に存在しているのかどうか、もっと検証する必要がある気がして、その機会を狙っていた。

 

(つづく)

 

アマゾンの「催眠ガール」(清流出版)のレビューを書いてくださってありがとうございます。

 

無意識起動システムのインストール、と書いてくださってありがとうございます。意識の世界にヒビが入り、優しい光が木漏れ日のように、って美しい〜。まさに、無意識さんの世界ですね。影であった箇所すら、私を守ってくれた、ってジーンとくる〜。私も意識でガチガチだったな〜。お師匠さんがこんこん叩いてくれてもなかなか割れなかったですからね。メタファーって凄いですよね。内側からヒビが入って、いつのまにか無意識の世界にいます。こうしてみなさんと一緒に。嬉しい。

 

発売をずっと待っていた本です、と書いてくださってありがとうございます。この小説を読んでくださったのは嬉しいです。私も是非、続きが書いてみたいです。小説を扱うコーナーに本屋さんで立てたこと、そのコーナーにこの本があることも嬉しかった、というのは深いです。一緒にこれまでの世界から飛び出しているかもしれません。そう、夢の世界へ。

 

無意識を信頼しなさい、と書いてくださってありがとうございます。あれは涙が出ますよね。何回読んでも泣いちゃいます。この催眠を高校生の時に知っていたら。人生違っていたかも知れませんね。私が惨めなあの高校生時代から「何か変わったか?」と自問自答した時に「何も変わっていない!」と自信を持って答えるでしょうね。こうして本を書かせていただいたり、ブログを書いたりして見える表面と自分の内面にあるドロドロは必ず「プラスマイナスゼロ」になっています。この本が出た時などは、喜びもあるのですが、同時に「自分なんか生きてちゃいけない人間」という汚物的なそして絶望的な感覚に襲われて「苦しい〜!」となって「この感覚を他の人が知ったら多分大変なことになるだろうな」と思うんです。100分の1出しただけで「ドン引き〜!」ですからね。普通だったら「うつ的な思考」ということで片付けられてしまいますが「能のネットワーク」という考え方でこの現象を捉えてみると、全く違った世界が見えてきます。だから、高橋社長が「ミラーニューロン」をネタに小説を書け、と言っているんでしょうね。これって私の中で常識になっていますが、一般的には常識じゃないですから。今、新しい小説を書きながら「お!やっぱりミラーニューロンの概念は常識じゃないんだ!」ということを再認識しています。でも、この小説は、心理学的な難しいことを全部排除しちゃって「お師匠さんの無意識の世界」というものが体験できちゃう。あの方はすごいです。過去形じゃないのは、そこにいらっしゃるから。読んでくださった皆さんとともにいてくれます。感謝!!

 

「催眠ガール」を拡散してくださってありがとうございます。

 

これからも、応援してくださって、たくさん拡散してくださったら嬉しいです。

 

感謝!!

 

大嶋 信頼

 

 

 

 

 


2019/08/08

一人で勉強に集中しようすると「全然、頭に入ってこないし理解したつもりになっていても、全く理解できていなかった」となってしまう。

 

ところが、学部も学年も違う連中と同じ部屋で一緒に勉強をしていると「あれ?スラスラと理解できるようになる!」という不思議な現象が。

 

「なんでそうなるの?」と理解しようとしたけど「理由が全くわからない!」となっていた。

 

それも、あの遠足のグループミーティングでみんなの前で泣いてしまって、みんなが一緒に泣いてくれた時から、この現象が始まっていた。

 

「なんで?」とこの不思議な現象を追求して、その正体を突き止めたかったが、日々の鬼教授たちの課題の多さに、それどころではなくなっていた。

 

「なんでこんなにいっぱい、本を読んでレポートを提出しなきゃならないの?」というぐらいたくさんの本が課題として出されていて、それをまとめてみんなの前で発表しなければならなかった。

 

英語のハンディーキャップがあったので読んで理解するだけでものすごい時間が掛かってしまうし、そこからレポートを書くなんて「徹夜じゃ〜!」ということが繰り返されていた。

 

だから、課題として出された本を読むときは「わーい!」と寮の連中の部屋に入り浸って読むと「おー!スラスラ理解できるぞ!」と不思議な現象を体験して、そして、読んで理解して、大体頭の中でレポートの構成を練ったら、部屋に帰ってコンピューターでレポートを書き上げる。

 

あるとき、心理学の授業で「遺伝子」の話になった。

 

教科書には、第二次世界大戦の時に、ドイツ軍から逃れた双子の赤ん坊がお互いの存在を知らないまま、ポーランドとアメリカに移住うをしていた、という記事があった。

これを英語で理解するのが非常に難しかったのだが、どうやら二人は、お互いの存在を知らないのに「奥さんの名前が一緒!」だけじゃなくて「子供の数も子供たちの名前も一緒!」とあって、犬の名前まで同じ。

さらに趣味の日曜大工を地下室でやるのも一緒で、タバコの本数も同じだった。

もっと驚いたのは、同じ時期に庭の木の周りに同じようなデザインのベンチを作っていた、と書いてあって「おー!遺伝子の情報ってすごいな!」というオチとなっていた。

 

でも、この時に、私は「あれ?これって遺伝子の情報で同じことをやっているだけじゃないよね!」ということに気がついてしまった。

 

これって脳が電波のようなもので遠く離れていても繋がってコミュニケーションを取り合っているから「同じ時期に同じデザインのベンチを作った」という現象が起きているのかもしれない、と教室の中で一人だけおかしなことを考え始める。

 

これは今までの白昼夢とは違っていた。

 

だって、自分も寮の頭のいい連中と一緒に勉強をしているときに、何らかの形で連中の脳の影響を受けて勉強が捗るようになっていたから。 自分の能力以上の力が周りの優秀な人たちの脳の影響で使えているような気がしたから。「あ!もしかして遺伝子が共通していれば遠く離れていても、相手の存在を知らなくても相手に影響をされちゃうのかも?」と考えたら「が〜ん!」と頭に衝撃が走った。

 

あれ?もしかして一人で勉強をしている時って、遺伝子が共通している、日本で暮らしている兄弟とか両親の脳と繋がってしまっていたのかも?という疑いが出てきた。

 

だって、ポーランドからアメリカって8,275kmも離れていても双子の脳がインターネットで繋がるように情報のやり取りをしているのだったら、同じように共通遺伝子を持っている、10,000km離れた日本にいる家族と私の脳が繋がってしまうから「英語が全然わかりません!」となっていてもおかしくないかも!という面白いことをその授業中に思いつく。

 

日本にいた時から「あれ?近くにいる人によって自分の書く文字が全然違う!」という感じで「丸文字」とか「ななめ」などと自分の書く文字が意識しないで変わってしまっていた。そんなことから意識しないでも「周りの人に脳が影響される」という感覚は以前からあった。

 

そこから「あ!だから、一人で集中して”勉強をしなきゃ”と思っている時って、実家で勉強をしている振りをしていた時と全く同じ感覚になっていたんだ!」ということに気がつく。

ぶっ飛んでいる話かもしれないが、脳が日本にいる両親と繋がってしまえば、見事に実家にいた時の惨めで勉強が全くできない状況が時空を超えて10,000km離れたアメリカでも再現されてしまうから。

 

もし両親や兄弟が英語が堪能であれば、共通する遺伝子で脳がインターネットのように繋がってしまっても「英語ができない!」とはならなかったかもしれないけど、日本人は英語が苦手、というのがものすごくあるから「あの家族に繋がったらダメなんじゃん!」とわかってくる。

 

だから寮の連中と勉強をすると「英語がスラスラ理解できる!」となっていたのは脳が英語がネイティブな寮の連中に繋がるから、ということでこの現象を私の中で「脳のネットワーク」と名付けることにした。

 

脳のネットワークには指向性があって「注目を向けた相手につながる」という特性があるのでは?と授業中にそんなことを考えてしまう。

 

この遺伝子の授業をしていたカタスキー教授は、真面目に「遺伝子情報が遠く双子の兄弟に同じことをされた」と語っておられたので「この脳のネットワークのことはカタスキー教授に質問をしてもダメだな」と堅物のカタスキー教授が脳のネットワークの質問をした時の反応が手に取るように分かったので、自分だけで検証をしてみることにした。

 

(つづく)

 

アマゾンの「催眠ガール」(清流出版)のレビューを書いてくださってありがとうございます。

 

嫉妬、孤独によりそって 高く飛んでいく本、と書いてくださってありがとうございます。夏目ちゃんに嫉妬しちゃう、というのは、私もよくわかります。書いている自分も主人公に嫉妬の発作を起こしていて、何度も破壊的な人格に変身しそうになっていました。そうなんです、中に出てくる登場人物が私の孤独の発作の代弁者だったりする。その私の孤独の発作を主人公の孤独の光で照らされた時に、いつのまにか爽やかな気分になって、自由になっていました。私の中の「孤独」の意味づけが主人公によって変えられてしまった。それが「孤独の本」に続きます。ユニゾンを奏でているように、ということを書いていただいて、このことに気がついちゃいました。無意識ってすごいですね!この本を読んでくださって、朝、起きて仕事を淡々とこなせるようになった、というものすごいですけど、ここに書いてくださったメタファーもすごいです。日本中の人が読んでくださったら嬉しいな〜。たのしみです。

 

20ページ読み進めると・・・と書いてくださってありがとうございます。読むと耳が詰まった感じになり、だるくて考えるのがおっくうになった、というのは書いてくださった通り「催眠」ですね。無意識が働いて「見ない、聞かない、反省しない」を自動化してくれているプロセスを感じますね。お師匠さん!やりましたよ!読むだけで催眠療法を書くことが出来ました!ありがとうございます!みなさんの中のお師匠さんに感謝したくなりました。

 

自分らしく生きられるようになると確信、と書いてくださってありがとうございます。わーい!読み終わったその日の夜の夢の中。無意識さんが答えを教えてくれたって素敵!いや、本当にそうなんです!主人公が私の中にいて、私のことを癒してくれる。そして、いろんなことへとそっと後押ししてくれている感覚があるんです。英語版はいいですね!!映画化もして欲しいです!私も!!お願いします!!

 

「催眠ガール」をいろんなところで紹介してくださったり、本屋でわざわざ注文してくださって、書店に並ぶようにしてくださってありがとうございます。

 

「催眠ガール」がたくさん広がっていくと何かが変わっていくような気がします。

 

こうして皆さんの無意識が働いて「催眠ガール」をさらに拡散してくださっている。

 

無意識がどんどん広がって、この日本が変わります!!

 

これからも応援をよろしくお願いいたします!!

 

皆さんの無意識の助けを必要としています。

 

感謝!!

 

大嶋 信頼

 

 

 

 

 

 

 

 


2019/08/07

子供の頃、親から「お前はなんてだらしないんだ!」とひっぱたかれて「ごめんなさい」と泣いて謝って「明日からちゃんとしたいい子になります」と悔い改めをしたのに「次の日には、また同じことをしている!」と引っ叩かれて泣かされていた。

 

いくら固く「明日からは変わろう!」と決心しても「また同じ失敗を繰り返している」と絶望的な気持ちになっていた。

 

そんなことを繰り返してきたことで、いつしか希望を持たなくなり「どうせ何をやってもダメさ」と冷めた目で見るようになってしまう。

 

自分が努力をしても何も変わらず、奇跡は絶対に自分には起きない。

 

遠足から学校の寮に帰ってきて、寮の部屋に戻った時に、なぜかそんなことを思い出す。

 

遠足のグループミーティングでみんなの前で泣いてしまった。

それで、何か自分に奇跡が起こって勉強ができるように変わっているのではないか?と期待をして教科書を開いてみる。

 

集中して教科書を読もうとするが、難しい単語で引っかかってしまって、何度も何度も同じ行を読みなおしていて、ちっとも進まない。そして、何度も辞書で調べた単語を全く覚えていない自分に失望をしてやる気をなくしてしまう。

 

こうして、いつもだったら自分の集中力の無さと戦ってしまって「時間があっという間に無駄に過ぎてしまった」という敗北感を味わうことになる。

 

でも私は、何を思ったのか、目の前に広げた分厚い教科書を「パタッ」と閉じて、そして、それを脇に抱えて斜め向かいのペリーの部屋のドアを叩く。

 

ペリーの「どうぞ!」という声が部屋から響いてきたので、ドアを開けて、初めてペリーの部屋に足を踏み入れた。

 

「お!ノブ!入ってこいよ!」とそこにはマークと細身で小柄なマットが絨毯が敷いてある床に座って、それぞれが違う教科書を読んでいた。

 

試験が終わったばかりなのに、こいつらはもう勉強をしている、ということにびっくりする。

 

自分は授業に全く追いつけないから勉強するのは当たり前だと思っていたが、私が知らないところでみんなは真面目に勉強をしていた。

 

そうか!自分の部屋にこもっていたり、図書館で一人で勉強をしていたので、他の連中がどんな風に勉強しているのかなんてこれまで興味を持ったことがなかった。

 

ペリーは自分の机で勉強をしていて、他の二人が「おい!ここに座れよ!」と私のために座るスペースを空けてくれた。

 

私は、そこに座って、みんなが教科書に集中している中で、心理学の教科書を開いてみた。

 

たぶん、以前の私だったら「私がここにいてみんなが迷惑なのでは?」とか「みんなに真面目に勉強をしていることをアピールしなければ」と頭の中で考えてしまっていたのだと思う。

 

教科書に集中しようとした時に「あれ?今、自分は集中して文章を読むことができる!」という不思議な現象を体験した。

 

いつもだったら、勉強をするフリを4時間して、内容が理解できず「本当に明日の授業はやばいかも!」と焦って集中した時に初めてちょっとだけ教科書を理解することができる。

 

でも今は、みんなが寝静まった夜中に集中できるような感覚がここにあって「お!知らない単語を読み飛ばせる!」とこれまでにないペースで教科書を読み進めることができていた。

 

「あれ?なんで?」と自分でもびっくりしてしまう。

 

あっという間に読み進めて、そしてもう一度、初めから同じ章を読み返してみると「お!さっきよりも理解できるようになっている!」と内容がスラスラ頭の中に入ってくる。

 

おー!これはすごい!と自分でも嬉しくなってきた。

 

そして、最初よりもさらに理解が進んだまま、もう一度同じ章を読み進めていたら「あ!勉強ってこうやるんだ!」というコツがつかめたような気がした。

 

「覚えるのが苦手」と文書を記憶したりすることが子供の頃から全くできなかった。

 

それって、ちゃんと読んでいなかったから?

 

でも、さっき自分の部屋で一生懸命に読もうとしていたけどできなかったのに、今、ペリーの部屋に来て読めるようになったのはなぜ?と自分でも訳がわからなかった。

 

「みんなと一緒にいる安心感が影響しているの?」と思ったが「一人の部屋で鍵をかけていた方が安心できるしな」と安心感説は私の中で却下された。

 

でも、この場で教科書を読むのが楽しかったので「まあいいか!」と能天気に次の章に進むことにした。

 

床に座っていてお尻が痺れてきた頃に、ペリーが「よう!食事に行こうぜ!」と声をかけたので、それぞれが立ち上がって背伸びをして、自分の部屋に教科書を置きに戻り、そして廊下で合流して食堂へと歩いていく。

 

ほどよい脳の疲れを感じながら、怠そうに4人で食堂に歩いていくのがなんだか心地よかった。

 

カフェテリアについて、ペリーに続いて給仕係の前に立った時に「あ!給仕係がいつもの嫌な態度をしない」とにこやかに給仕をしてくれる。そして、ペリーと同じように「あ!ちゃんとした肉を入れてくれた!」と感動する。

 

ペリーは当たり前のようにイケてる生徒の座る席の方に歩いていき、私も躊躇なくついて行って、初めて憧れの席に座ることができた。

 

勉強のことを忘れて、4人で楽しく雑談をする。

 

いつもだったら私は人と会話をする時に「私は英語が喋れないんです」と自分がダメダメアピールをしてしまうのだが、それをやる必要がなかった。

 

心優しいマークが「ノブのお婆ちゃんはそれからどうなったんだ?」と聞いてきてくれた。

 

そんな時に、私は「おい!マーク!俺をまたここで泣かせようとしてるのか?勘弁しろよ!」と軽口を叩く。

 

マークは「いや、そんなつもりはないんだ!ごめん!」と謝るから「いや、冗談だよ!」と私が切り返す。

 

これって、私が大学に入って憧れていたやりとりだった。

 

お婆ちゃんは、私が高校生の時に亡くなってしまったこと、そして、それをきっかけにアメリカで心理学を勉強することになったこと、などをペリーたちに話していた。

 

あれ?私は英語が喋れないんじゃなかったっけ?と喋りながら、自分でもびっくりする。

 

楽しく会話をしながら、あっという間に食事の時間が終わってしまい、再び、寮へと戻っていく。

 

マークは「俺は、女子寮に用事があるから!」とその場から去っていき、ペリーも彼女のところへと向かって行った。

 

細身で小柄なマットは、ちょっと緊張が高い感じなので、会話が弾む感じではなかったが、歩きながら「ノブ、お前は本当によくやっているよ!」と褒めてくれた。マットは自分が外国の大学で母国語以外で勉強をするなんか想像できない、ということを真面目な顔をして話してくれた。

 

マットはいいやつだな、と思いながら、部屋の前で別れて、歯を磨いて「さあ!勉強をしよう!」と机に向かったが「あれ?さっきみたいに教科書が読めない!」ということに気がついた。

 

ついさっき「勉強のコツを掴んだかも?」と感動して「自分にも奇跡が起こったのかもしれない!」とちょっと嬉しくなっていたのに「あれ?素の自分に戻ってしまった」と目の前が真っ暗になる。

 

さっきのあの楽に勉強をする感覚を体験してしまったら「もう、一人で苦しむのは嫌だ!」と自分の中で叫んでいた。

 

その時に「あ!」と気がついてしまった。

 

さっき自分は「一人で苦しむのは嫌だ!」と叫んでいた。

 

おー!人と一緒に勉強をすることに意味があるのかもしれない!と思って、実験してみることに。

 

いつもだったら、教科書をカバンに入れて図書館に逃げ込むのだが、教科書を抱えて、寮で勉強をしてる連中のところに行ってみよう!と思い立つ。

 

さっき一緒に帰ってきたマットと二人っきりで勉強をするのは「ちょっときついかな」と思って諦めた。

マットの部屋のドアを叩いた時のマットのひきつった緊張顔をみるのはちょっと食事後にはきつかったから。

 

そこで隣の部屋のダンと同じ心理学の授業を取っているビルの部屋をノックしてみたら「入ってこいよ!」と中から声が聞こえて、ドアを開けてみたら「お!二人とも勉強をしている!」という恐ろしい光景が。

 

「なんでみんな勉強しているの?」と思わずダンたちに言ってしまったが、ダンが「お前も教科書を抱えているじゃないか!日本人だけが勤勉だと思うなよ!」と返してくる。

 

「ビルはいつも彼女と一緒じゃないのか?」と勉強の邪魔をしたい、という私の悪い心が出てきて質問をしたら「彼女と一緒にいる曜日をちゃんと決めている」と真面目に答えてくる。

 

ダンは、部屋のドアの所に立って、入るかどうかを迷っている私に「入ってくるのかどうするのかさっさと決めろや!」と言ってくる。

 

「おう!入っていいのか?」」とダンの目が見ることができずに聞くと「当たり前だろ!入ってこいよ!勉強の邪魔をしなきゃな!」ときつい言葉のようだけど、そこに優しさを感じて、ちょっとグッときてしまう。

 

ダンとビルはアメリカ人らしく、ベッドの上で教科書を開いて勉強をしている。

 

私は、床にあぐらをかいて教科書を開いて、教科書を読もうとする。

 

「お!集中して読める!」とさっきペリーの部屋で体験したことが、また再現できたのでホッと一安心する。

 

もしかしたら、さっき、マスターした章が自分の部屋で読めなかったから、頭から抜けてしまったかも?と不安になって、読み進めてみると「大丈夫じゃん!ちゃんと理解しているじゃん!」と頭の中で飛び跳ねていた。

 

さっき覚えることができた章をサラッと終わらせて、次の章に進むと「ちゃんとわからない単語を読み飛ばして、前後の文章からわからない単語の意味がわかってくる」ということに感動する。

 

ビルも同じ教科書を読んでいるのだが、ページをめくるペースが早い。

 

「うーん、やっぱり読む速度はまだまだだな」と贅沢なことを思っている自分がそこに座っていた。

 

そんな自分に「あなたは、教科書を全く集中して読めなくて、読むペースなんて考えられなかったでしょ!」と別の自分が突っ込んでいた。

 

温泉に行った時に、後から入ってきた人よりも自分は負けないように長く湯船に浸かっていよう!と決心して我慢している時のように、ダンもビルもそして、私も集中力を途切らすことなく勉強をし続けていた。

 

そして、ダンが「あー!疲れた!」とやっと折れてくれたことで、私の緊張も解けて心地よい疲れがどっと襲ってくる。

 

廊下では、女子寮や外から帰ってきた連中が高いテンションで騒ぎ始めていた。

 

以前だったら「うるせえな〜!」とあの声を聞くとイライラしていたのだが、今は、一緒に騒ぎたい気分になる。

 

二人の部屋から去るときは「ありがとう」と声を掛けるのが普通だと思ってたが、なんだかそれってダサいな、と思ったので「お前ら、頑張れよ!」と上から目線で声をかけて去ってみる。

 

ダンが負けじと「お前もな!」と私の背中に言葉をかけてきたが、私は振り向かずにこちらを見ているであろうダンに後ろで手を振って、部屋を後にした。みんなが廊下で騒いでいる。自分もその騒ぎの中に入ろうかどうかを吟味した。

 

ここで騒いだら、テンションが上がって眠れなくなり、せっかく覚えた教科書の内容が頭から消えてしまうような気がしたので、シャワーを浴びてすぐにベッドに入る。

 

入ってみて、頭の中で自分に何が起きているのか?というのを整理しようとしたが、頭が疲れきっていたのか、考える暇もなく深い眠りへと落ちていった。

 

深い眠りの中で静けさが広がっていくのが感じられる。

 

吸う息と、吐く息とともに。

 

(つづく)

 

アマゾンの「催眠ガール」(清流出版)のレビューを書いてくださってありがとうございます。

 

波を乗りこなす、無意識の力を借りて、と書いてくださってありがとうございます。書いていたときの私の脳につながってくださっているような感じがします。なんだか書いてる私の気分を実況中継していただいてるような気持。ヘンゼルとグレーテルはすごいな〜。催眠のスクリプトで無意識が働いて、そこから更なる暗喩が来ているって、面白いです。なんとなく、無意識が伝えようとしてることが伝わってきます。波を乗りこなす〜!無意識の力で、って素敵。

 

見えぬけれどあるんだよ。見えぬものでもあるんだよ、と書いてくださってありがとうございます。よく読んでくださってありがとうございます。老若男女読みやすい、と書いてくださってうれしいです。私はお師匠さんの催眠療法の講座を受けているときに「自分だけが催眠をうまく使いこなせない」と思っていました。うまく使えている振りはうまいのですが、実感が全く伴いませんでした。お師匠さんと一緒に働きたかったし、働いてる人がうらやましかった。だから、置いてきぼり感はよくわかる気がします。しかし、本を3回音読で読むと暗記ができてしまうのはただものではありませんね。おー!今日のブログの話で3回読んでがでてきました。つながっていますね。あのお師匠さんの言葉いいですよね。私もあれで泣けてきてしまいます。大切なことに気づかれたのはうれしい。心に聞くときは、とんでもない質問をしてみると面白いかもしれません。ぶっ飛んだ質問は楽しいです。無意識の定義がとても素敵です。お師匠さんも同じようなことをおっしゃっていました。それを私がちゃんと理解できていなかったから、あの「アホセラピー」というダンスになったんでしょうね。正直にお話しますと、私も「アホセラピー」とおっしゃってくださったお師匠さんの意図を理解していません。あれもメタファーだと受け止めています。無意識がちゃんと受け止めてくれるって。いや、文章力は素晴らしいです。ちゃんと無意識が働いているから、意識的になると混乱するだけ。楽しいです。

 

太陽の匂いがした、と書いてくださってありがとうございます。「この本を読んだ後、父からメールがあった」という一文がすべてを語っているような気がします。脳のネットワークって本当にあるんだな、と思うのは「おー!調子がよくなってくるぞ!」というタイミングで必ず「邪魔が入る!」とい感じでぶち壊される、という体験を繰り返してきました。ですから、この本の意味がすごくその一文から伝わってくるんです。ちなみに、人の感情って一瞬だけのはずなんです。消失ということが起きるから。でも、消えない感情ってありますよね。これについていろんな説があるのですが、私の説では「自分のじゃないから消えない!」というとらえ方です。人の感情を自分のものにしてしまうと、処理ができないのは当たり前だったりします。「太陽の匂いがする」というのはプルーストの「失われた時を求めて」を思い出しますね。あれはマドレーヌでしたけど、太陽の匂いとちょっと似ているかも。無意識がちゃんと導いてくれている。一つの方向に。

 

感謝!!

 

大嶋 信頼


2019/08/06

大学の心理学の試験が帰ってきて「もうダメだ!」と絶望感に襲われて、天を仰ぐ。

「自分はどんな悪いことをしたんでしょう?」と悔し涙を堪えながら、天に文句を言っている。

 

テストの結果が悪いのは、自分が勉強に集中できなくて、勉強をしてるフリをずっと続けていた結果であることはわかっているのに。

 

こんなに頑張ろうとしているのに、ちっとも助けてくれない誰かに怒りを感じていた。

 

そう、多くの人は、奇跡を体験して、勉強ができるようになったり、人間関係が良好になり楽しい人生を歩めるようになっているのに、私にはそんな奇跡は起きない。

 

これまで一度だって、そんな奇跡は起きたことがなくて、いつも、地べたを惨めに這いずり回り、汚いものを舐めて生きているような感覚でこれまでずっと生きてきた。このテストの結果を見る限り、これからもずっと最悪な人生が確実に続く、という切符を渡された気分になっていた。

 

試験中は、ほとんど寝ていなかったので、頭が朦朧としている。

でも、早く寮の部屋のベッドに飛び込んで悔し涙を流しながら寝たい。

 

泣きたいぐらい悔しいけど、眠気が勝っているような不思議な感覚だった。

そう、私はいつでも一つのことに集中できない、とこの時も自分を責めていた。

 

寮までの道すがら、すれ違う連中に、まるで気持ち悪い汚物を見るような視線を感じながら、さらに惨めな気分が増して寮の入り口まで到着する。

 

テストが終わったので、寮の連中は「ヒュー!ヒュー!やったぜ!」と騒いでいる。

最悪な点数を取ってしまって、こんなに惨めな気持ちになっている人の気持ちも知らないで。

 

嬉しそうに騒いでいたペリーが私に近づいてきて「やったぜ!試験が終わった!」とハイタッチを求めてくる。

 

ここでハイタッチをしたら、この敗北感が消えるのか?と思って取り敢えず「パチン!」とペリーの手のひらを打ってみたが、惨めさが増すだけだった。

 

ペリーがそんな私の表情から何かを察したのか「おい!みんなで一緒に遠足に行こうぜ!」と言ってきた。

 

私は二つ返事で「行かない!」と部屋に入っていった。

 

すると、同じ寮の宗教学のカリスマ生徒のシェーンが突然、私の部屋に入ってきて「ノブ!寮のみんなで遠足に行こう!」と声をかけてくる。

 

いや、さっき断ったじゃん!という表情をしたら、シェーンは「寮の積立金でお金がかからないし、宿泊施設で食事も出るから行こう!寮には誰もいなくなるから」と言われた。

 

このシェーンは大学生なのに、もうすでに牧師の仕事をしている天才だった。

アメリカでは日曜日に怪しい牧師がテレビで説教をするのだが、まさにシェーンはそんな感じで声に迫力がある。

 

それだけじゃなくて、シェーンは強靭な肉体を持っていて、一度、相撲の真似事をシェーンにやらされたら、組まれた瞬間に「あ!こいつは岩だ!」と全く動かすことができずに完璧な敗北感を味合わされた。他の連中は簡単に投げ飛ばすことができたのに。

 

そんなシェーンが机の椅子に座っている私の横に立って「行こう!」とぎゅっと肩を掴む。

 

肩に置かれたシェーンのでかい手に力が入り「あの、これって脅迫ですよね!」という感覚になる。

 

肩にものすごい圧力を感じて「わかったよ!行くよ!」と言ったらシェーンは「寮の外に1時間後に集合だからな!」と私の部屋の戸のところで指をさして私を威嚇しながら去っていった。

 

「マジかよ!これから寝ようと思ったのに!」と文句を言いながら着替えをバックに入れていると、リックが帰ってきて「よう!どこかに行くのか?」と質問をしてくる。

 

「え?リックも遠足に行くんだろ!」と声を掛けると、リックは下を向いて「俺は、去年行ったから、今年は行かない!」と言ってきた。

 

おーい!シェーン!嘘つき!インチキ牧師!と私は心の中で悪態をついていた。

 

リックは、試験が終わったのに、生理学の分厚い教科書を開いていつものように集中し始めた。

 

そして、ボソッと「楽しんでこいよ!」と下を向きながら呟く。

 

私は、そんなリックの勉強をしている姿を見て「僕も勉強をしなければ!」と焦りが出てくる。試験が終わったら、みんなは勉強をしなくなるのに、やっぱり医学部生は違うな、と思いながらも、自分が置いていかれる気分になってしまう。

置いていかれるどころか、全く手の届かないところにルームメイトはいるのはわかっているのに、そんな気分になってしまう自分が嫌だった。

 

でも、こんなリックと寮に二人っきりで残されるよりは、楽しそうにしているみんなと一緒に遠足に行った方がこの惨めさは紛れるかもしれない、と寮の入り口に停められていたバスに乗る。

 

その後にどうやって目的地にたどり着いたかの記憶が全くないから、連日の徹夜で疲れ切って寝てしまったのだと思う。

 

すっかり周りは暗くなっていて、そして管理人もいない大学の宿泊施設へとたどり着いた。

 

「え?食事はどうするの?」と不安になって、隣に座っていたペリーに聞いてみたら「シェーンと教授が作ってくれるんだ!」と嬉しそうにしていた。

 

おーい!これから作るんかよ!とちょっと絶望的な気分になった。

 

でも、シェーンと教授は手際よく調理をして、みんなの食事を作って、あっという間に食事の時間が終わる。

 

満足して「さあ、これから何もイベントがありませんように!」と願っていたのは、嫌な予感がしていたから。

 

みんなが暗黙の了解で、食堂のテーブルを端に寄せて、椅子を並べて輪を作る。

 

うー、嫌な予感がする、と思っていたら、さっきまで食堂に立っていた、心理学の教授が「さあ!みなさん座って、ミーティングをしましょう」と爽やかな笑顔で言った。

 

確か心理学の授業で「グループミーティング」というのが出てきていたが、英語力のない私には内容があまり理解できていなかった。

教授が、最期の授業で、なんとなく「遠足の時のグループミーティングに参加したら追加点をあげる」と言っていた気がしてきて、これが自分の都合のいいように塗り替えた記憶じゃないことを心の中で願う。

 

確かに、私の隣に座っているウエインは、私と同じ心理学の授業をとっていた。

 

ペリーは経済学部だし、シェーンは宗教学だし「どういうこと?」と思いながら、教授の話に耳を傾ける。

 

教授は、このグループミーティングの意味を語ってくれるのかと思ったら、いきなり教授の身の上話を初めて「おー!教授もこれまで辛い思いをしてきたんだ!」ということを知ってびっくりした。

 

「え?こんな話をするの?」と教授の話でこのミーティングの趣旨が見えてきた。

 

次の人も、両親との葛藤を話し始めて、そして涙を流す。

 

周りでそれを聞いている連中も、鼻をすすり始めてハンカチで目を抑える。

 

私は冷めた目で「本当かよ!そんなことで泣ける?」と思いっきり疑っていた。

 

なぜなら、全然私は感情を揺さぶられないし、そんな人の話を聞いて泣きたいとも思えない。

 

むしろ泣いている連中が偽善者に思えて、ものすごい嫌悪感を抱いていた。

 

途中で、順番が回ってきたときに「パス」と言えば「あ!話さなくてもいいんだ!」ということがわかって「私は絶対にパスをしよう!」と固く心に決める。

 

みんなが感情を吐露してスッキリした顔をしているのに、私だけが温度差を感じているような気がしていた。

 

いつもこうだ!と心の中で嫌な声が響く。

 

そして、隣のウエインの順番になってしまって「おー!ウエインの両親は離婚をしていて、母親とずっと暮らしていたんだ!」ということがわかる。そして、勝ち組だと思っていたモテモテ男のウエインが実は貧乏苦学生で借金まみれになっている、ということを知って、心が「ドーン」と衝撃を受けたように重くなる。なぜなら、彼の存在を全く誤解していたから。

 

ウエインは入学してすぐに彼女を作って、そして三ヶ月後には別の彼女と手を繋いでいた。

あ!彼が長い期間付き合えないのは、お父さんから捨てられたのもあるけど、同居をしていたお母さんからも愛されなかったからなんだ、という悲しい事実を聞かされてしまったから。

 

ウエインは「よう!」と誰にでも笑顔で声を掛けていたから「軽い男だな〜」と思っていたが、軽いんじゃなくて、誰からも愛されてこなかったから、人との親密感が感じられないだけなんだ、とウエインの心の闇を知ってしまったら、これまでウエインのことを心の中でバカにしていたことが申し訳なくなってしまった。

 

そして、ウエインが最後に「ここに来れたのはおばあちゃんのおかげ」という余計な一言を最後に言った。

 

その時、どうしてウエインの口からおばあさんの話が出てきたのかの記憶がない。

 

突然、ウエインの話が終わってしまって、シーンとした会場の中で私は頭が真っ白になってしまって「パス」をいうことを忘れてしまう。

 

そして、私の口から意外な言葉が出てきた。

 

それは「私のおばあちゃんが…」と口にした次の瞬間に、涙と鼻水があふれてきてしまって、嗚咽がつまらなくなる。

 

「え?わたしはどうしたの?」と自分でも自分に起きていることがわからない。

 

喋りたかったのは、私が高校1年生の時亡くなってしまったおばあちゃんの話。

 

おばあちゃんは、私が生まれる前に教会の牧師夫人として無理して働き続けて脳梗塞で倒れてしまって、半身不随になり、右半身が不自由になって動かない。そして、言葉もうまく喋れない状態だった。

背中が90度に曲がってしまって、右腕が固まって腕が曲がったまま動かせない。

 

私は、幼いころから、そのおばあちゃんの横に座って、おばあちゃんと一緒にテレビを見るのが好きだった。

 

いや、好きだったというよりも、おばあちゃんと一緒にいてあげて、自分はお祖母ちゃんの役に立っているのでは?と思っていたのかもしれない。

 

不自由になったお祖母ちゃんの話を誰も聞こうとしないし、みんなが不自由なおばあちゃんを馬鹿にしたような口をきくので、みんなからそれほど大切にされている感じがしなかった。

だからなのか「私は、お祖母ちゃんを大切にしよう」と幼心に固く決心をしていた。

 

お祖母ちゃんは相撲を見るのが好きだったので、私は一緒に見ていた。

お祖母ちゃんのために、力士の名前を一生懸命に覚えようとしていたが、本当は興味がないのでなかなか覚えられない。

 

そう、私はお祖母ちゃんが好きなものを好きな振りをして一緒にテレビを見ていた。

 

幼い私には難しくて興味がない話でも、お祖母ちゃんが話をしてくれる話は真剣に聞いている振りをしていた。

このお祖母ちゃんの役に立ちたい、と思っていたから。

 

幼稚園でいじめられて泣いて惨めな気持ちになっても、おばあちゃんの部屋に行って、ちょこんとおばあちゃんのベッドの下に座ってテレビを見ているふりをすれば時間だけが過ぎていく。そして、いつしか惨めな気持ちが消えていく。

 

小学校に入って、いきなり周りの子から「お前はどんくさい!」と背中を突き飛ばされる。そして、私がつまづいて転んで、泣きながら立ち上がると、ほかの子が「どんくさい!」とまた私の背中を突き飛ばす。

「なんだよ!」と私が切れて立ち上がると、その後ろからほかの子供がつき飛ばして、まさに四面楚歌を入学当初に味合わさせられる。

 

背中に突き飛ばされた感覚が残ったまま、私は涙をこらえてお祖母ちゃんのところに家から歩いていく。

そして、おばあちゃんが座っているベッドにその背中をもたれて、お祖母ちゃんと一緒にテレビを見ている振りをする。

もちろん内容なんて全く頭に入ってこないのは、背中に惨めな気持ちをいっぱいに背負っているから。

 

お祖母ちゃんはそんな私のことがわかっていたのかもしれない。

曲がった背中で杖を突きながら、台所までよたよたと歩き、そしていっぱいのお茶を入れて、やっとのことで私の所に持ってきて「飲みなさい」と出してくれる。

 

私はそんなお祖母ちゃんの優しさで涙が溢れそうになってしまうのをこらえながら、お茶をすすり「お祖母ちゃんの入れてくれたお茶はおいしい!」とお茶の味もわからないのに、笑顔で言っている自分がそこにいた。

 

そして、お茶を飲み終わってお祖母ちゃんと一緒に同じ方向を向いてテレビを見ていると、惨めな気持ちがよみがえってきて涙が溢れてくる。でも、それをお祖母ちゃんに見せられないから、何度も鼻をかんで泣いていることをごまかし、お祖母ちゃんがテレビを見て笑うタイミングで私も笑う。

 

ちょっと大きくなったら、お祖母ちゃんを教会まで連れて行くのが私の役割になっていた。

そして、お祖母ちゃんが思うように歩けなくなったら「僕がお祖母ちゃんを背負ってあげる」とお祖母ちゃんを背負ってみた。

お祖母ちゃんの右手は曲がったままだったので、私の狭い背中にお祖母ちゃんのこぶしが当たってしまい、バランスがうまく取れなくて、玄関で転んでしまった。それでもお祖母ちゃんは「おっほっほ!」と嬉しそうに笑ってくれた。

 

こんなお祖母ちゃんの役に立ちたい。

それだけは自分ではっきり感じられたこと。

 

毎日のように勉強ができないと母親から引っ叩かれ、そして学校に行けば、後ろから背中を突き飛ばされて、常に惨めな気持ちでいっぱいで、この世に存在していたくない、と心から思っていた。でも、このままだと地獄に落ちてしまう、という恐怖でいっぱいで生きることもできず、存在を消すことも許されていなかった。

 

そんな記憶が「お祖母ちゃんが」と一言いった瞬間に思い出されてしまって「やばい!涙が止まらない!」と私はパニックになってしまう。

 

こんなにみんなの前で泣いてしまってみんなから馬鹿にされて嫌われる、と思ったらさらに泣けてきて、顔を上げていられなくなる。顔を下に向けたら、さらに涙が出てきてしまい「このままだと心理学の加点がもらえない」とさらに訳の分からない涙が溢れてくる。

 

どれくらい泣いていたか全く時間の計算ができなくなるが「何とかしなければ」と一生懸命に泣くことを止めようとするが、嗚咽が逆に酷くなる。

 

その瞬間に温かいものが背中に置かれた。

 

「なんなんだろう?」とそれまで体験したことがない暖かい感覚が背中にあった。

 

私の背中にたくさんの掌の温かさを感じる。

 

それも一人や二人の掌ではなかった。

 

フッと顔を上げたら、そこに参加していたみんなが私の背中に手をのせてくれていて、みんなの顔を見たらみんなが私と一緒に涙を流してくれていた。そこに参加していた教授も一緒に。

 

そこからの私の記憶がない。

どうやってそのミーティングが終わったのか、どうやって宿泊施設に入って寝たのか、全く記憶がなくなっていた。

 

ぐっすり寝てしまって、朝起きた時には、すでにみんな食堂に集まっていて朝食の準備をしていた。

 

ペリーが昨日は何もなかった体で「ノブ!起きろ!シェーンのおいしい朝食だぞ!」と呼びに来てくれた。

 

私は泣き疲れて腫れていた眼をこすりながら、顔を洗って、ものすごい恥ずかしい気持ちで食堂に入っていくと「おー!ノブが来た!」とみんなが温かく迎えてくれる。

 

「何かがこれまでと違う」と自分の感覚をあまり感じられない鈍感な私でもわかった。

 

ペリーが私の横に座って「ほら!シェーンが作ってくれたんだ、アメリカの南部料理。グリッツはものすごくおいしいんだよ!」と嬉しそうに言っている。

 

私は「本当かよ!」と思ったことが口から出ているのにびっくりした。

いつもだったら「ありがとう」と「OK」しか言わないのに。

 

おいしい朝食はご飯とみそ汁だろ!と心の中でつぶやきながら、シェーンが作ってくれた、グリッツをスプーンですくって口の中にそっと入れてみた。

 

その瞬間に思わず「おいしい!」とつぶやいて、口の中に広がるうまみと温かさで、私の目からまた涙が零れ落ちていた。

 

そんな私をペリーが見て「シェーン!ノブが泣くほどうまいって!」と調理場に立っているシェーンに叫ぶ。

 

するとシェーンが「ノブ!おいしいだろ!」と私に大声で声をかける。

 

私は涙をぬぐいながら、親指を高く天に向かって立てていた。

 

(つづく)

 

アマゾンの「催眠ガール」(清流出版)のレビューを書いてくださってありがとうございます。

 

新しい誕生日、と書いてくださってありがとうございます。「お誕生日、おめでとうございます!🎉」。うわー!スクリプトの「ひと〜つ!」で泣けた、というのを読んで私はお師匠さんのあれを思い出して泣けてきてしまいました。やばい。無意識は後からやってきますね。すごいことに気が付かれている!びっくり!勉強のお話はうれしい〜。親の話は分かる〜。変化していて先行く人になってしまうから余計に「ビビビッ!」が起きるんですよね。お師匠さんが浮かんできて、という流れは「無意識さ〜ン!」という感じですね。やった〜!アホセラピー!パンパンパン!今日、この時に書いてくださって感謝。つながってくださって、ブログもちょうど私の誕生の瞬間のお話になりました。ありがとうございます。

 

はじめての感覚、と書いてくださってありがとうございます。一般的な物語とは読後感が全く違う、というのはうれしい。まあ、みなさんの脳、そしてお師匠さんの脳を使って書いてるので、完全にずるをしている感覚があります。自分で書いていなくて、無意識さんの力を使って書いているだけ。でも、だから、あ!無意識さんが働いてる!とこうしてレビューを書いてくださるたびにうれしくなる。無意識の中にあの方が生きている。

 

汚れちまった楽しみに、と書いてくださってありがとうございます。一気に読んでくださってうれしい。おー!読ませていただいて、なぜか今日のブログの話が浮かんできました。カレー屋さんでカレーを食べているときにすみませんでした。でも、それはさえないおっさんの仕業です。あの方、タヌキだからな〜。なんだかシナジーが仕組まれている気がします。あの詩のように「いくつもの瞼を持ちながら、誰の眠りでもない喜びよ」という感じ。なんだか楽しみになってきました。

 

色々感じることがあった、と書いてくださってありがとうございます。おー!電車通学!しかし、すごいな〜!妹の立場から読むって素晴らしいです。妹のこともクローズアップしたストーリー展開って面白そうですね。もし、次回作ができるとしたら、そこらへんが展開していきそうな予感がします。妹は確実に催眠ガールになるような気がします。もちろん姉を越える。その後の展開って面白そうですね。書いてくださってうれしいです。

 

感謝!!

 

「催眠ガール」を拡散してくださってありがとうございます。

 

「催眠ガール」を拡散してくださって、たくさん広がれば、夏目ちゃんがどんどん活躍できるかも!

 

よろしくお願いいたします。

 

大嶋 信頼

 

 


2019/08/05

アマゾンの「催眠ガール」(清流出版)のレビューを書いてくださってありがとうございます。

 

無意識へブレイクスルーと書いてくださってありがとうございます。初投稿はうれしい!心の幼馴染にこの本を読んでいただいて、十数年前にお師匠さんが蒔いた無意識の種が芽吹いて花が咲いた、というのは私も、ものすごく感慨深いです。お師匠さんの無意識のなせる業ってすごいな〜。当時の日記は、感動!!お師匠さんの生言葉だ〜!わーい!あの高田馬場の古い雑居ビルのように、無意識がこれまでひっそりと陰で働き続けていた。すごくうれしい。お師匠さんの笑い声が「オースティンパワーズ」って思わず「確かに!」とうなってしまいました。「フォレストガンプ」のあのシーンと重ねていただいたのはうれしいです。私もあのシーンが大好きだから。一緒に走りたくなるから、というのは何よりもうれしいです。感謝!!

 

目覚めるたびに新しい私に出会う気持ちです、と書いてくださってありがとうございます。4回も読んでくださったんですね!自分の中で何かが再構築されている感じ、ってなんだかわかります。そうなんですよ!過去の自分たちも癒されて許されていくような気持。やった〜!休みの日に夏目ちゃんもお師匠さんも遊んでもらっている。よかった!お師匠さんも喜んでる。スクリプトを心と作る作業は素敵。「楽しい」っていうのは無意識が働いているから。スクリプトで周りが変わっていきます。楽しみ。

 

癒される本でした!と書いてくださってありがとうございます。うん!無意識が働いていますね!そう、いいことも悪いこともどんどん目の前を過ぎていくような、というのが無意識さんで、いいな〜。そして、無意識はちゃんと過去の記憶も処理してくれている。これを読ませていただくと「心の傷もその人のリソース」とお師匠さんが言っていたのがよくわかる気がします。無意識が差し出してくれる一輪のバラ。オーケストラの話は「なるほど!」とびっくりしてしまいました。確かに「チューニング」から始まり、呼吸を合わせるですね。すごい!!皆さんとつながってこれからも書かせていただきます。うれしい。

 

無意識さん起動を信じて、と書いてくださってありがとうございます。すごいな!私も、みなさんのレビューを読ませていただいていると「私には何もないな〜」という気持ちになって、焦ってきてしまうことがあります。本当に何もないから。でも「何もない」が無意識の世界なんだよな、と私も無意識さんとレビューを読みながら仲良くなれた気がしています。よかった!楽になっていて。お母様の嫉妬の効果ってすごいですよね。でも、それに気が付いているだけでどんどん自由になれます。インコに対して呼吸合わせってすごいです!!半信半疑になる気持ちわかる〜。たのしみ!

 

導入美容液みたい、と書いてくださってありがとうございます。眠りは美容にいい〜!しかし、すごいな〜!この本を読んだ後に、ほかの本を再読したら、スルスルと心身に催眠が染み渡る心地って。だからこの本がブースターって、とってもわかりやすいです。催眠導入小説って鋭すぎます!!そうなんです!本の中に入っているスクリプトが効きやすくなるんです。特に「孤独」の本ですかね。感謝!!

 

猛暑の日々に涼しい柔らかな風が舞い込む、と書いてくださってありがとうございます。登山の話が分かりやすい!!素晴らしいスクリプトですね。やるな〜!スクリプトってそうなんです。何が書いてあったか、断片的には思い出せるのですが、その内容が思い出せなくなったりするんですよね。お師匠さんのスクリプトがほぼそれでした。それは無意識さんにインストールされた証拠だったりします。落語がスクリプトだって、鋭い!!あれってすごい技術だと思います。催眠ガールを再アタックしている、姿が浮かぶようです。上るたびにどんどん力強くなっていく。

 

なんだ、嫉妬か!と書いてくださってありがとうございます。いつも読んでくださってありがとうございます。読むまでの葛藤がきれいに書かれていて、その落ちがこのタイトルにつながるって面白いです。夏目ちゃんとの心の中のやり取りが伝わってくるような感じであたたかいきもちになりました。そう、無意識さんが守ってくれるようになる不思議なあの感覚。「ニャー」。とっても嬉しい。

 

良かったです!と書いてくださってありがとうございます。読んでいるうちに爆睡しちゃうのはうれしいな、お師匠さんのスクリプトは面白いです。確かに、CDになったらいいかも!でも、絶対寝ちゃいますよね。最後まで聞けないで、どんどん無意識の世界へー!なんだか爽快感みたいなのが伝わってきて、私の気持ちもすっきりしています。

 

感謝!!

 

大嶋 信頼

 

明日、小説の続きを書いていきます。

 

さあ、どんな展開になるのやら。

 

 


2019/08/04

今日は、面白い体験をしました。

 

実は、一ヶ月ぐらい前から「まずい、背中と腕の筋肉を痛めたかも!」となっていました。

何もしていなくても激痛で「寝返りが打てない」となっていて、仕事中も「うー、痛みで気を失いそう」という感じになって苦しみ続けていました。

 

何もしていなくても痛いのよね!

 

痛いから「運動は控えよう」と思って、しばらく運動はしていなかったのですが「全然痛みが取れないじゃないか!」ということで、運動を再開。

 

懸垂とか腕立てとかやってみたら痛みがマシになるかも?と思ったけど「ダメ〜!」でした。

 

痛みと戦いながら「うー、困った」と思って、今朝は4時半にサーフィン。

 

サーフィンに来るまでが激痛。

 

「こんなんでできるのかな?」と不安になるが「今日はいい波来てまっせ!」というニュースが入っていたので「行くしかないでしょ!」と海に入ります。

 

「まずい、腕に全然力が入らないじゃないか!」と波に乗ろうと思ってもうまく乗れません。

 

あちゃー、と思っていると「どんどん痛みが増していくー!」となってしまって「腕がもげる〜!」という激痛が海の上で襲ってきます。

 

「もう、やめるべきかどうするべきか」ということを痛みに耐えながら考えていた時に「あ!そういえば、若返りの遺伝子のSIRT1(サートワン)は確か、最新の研究でダメージを受けた筋肉を修復する、という役割があったよな!」と思い出します。

 

「SIRT1の還元」×7をまるでお経の様に連続して唱えてみると「え!まじですか!」とびっくりした。

 

あんなに痛かった腕と背中の痛みがない!

 

いやね、このSIRT1の前にも「これって、筋肉が炎症を起こしてるから自己免疫の問題かも?」と思って、自己免疫の遺伝子コードを唱えていたんですけど「ちっとも楽にならない!」とプンプン💢していたんです。

 

あのタイミングで、なぜ、最新の研究を思い出したのか?(今年の7月1日に読んだ研究でした

 

私がこんなことを書くのもなんなんですけど「え?遺伝子のコードって本当に効くんだ!」とビックリしてしまいました。

 

こんな面白いことをみんなと共有したい!とすぐに思ってしまうのよね。

 

だから、8月25日の福岡の朝日カルチャーで講演では「嫉妬でダメージを受けなくなる遺伝子コード」や「嫉妬をされなくなる遺伝子コード」なども嫉妬されちゃう体質に合わせて紹介していこうと思います。

 

いや、本当にビックリしました。

 

だって、3週間ぐらい、ずっと痛みで悩んでいたのに「なんで?唱えただけなのに!全然痛くなくなった!」というのはおどろき〜。

 

いやね、こんな疑い深い私でも、人の変化はわかるんですよ。

 

あ!若返りの遺伝子コードを唱えていただいたら、あ!肌が綺麗になって美しくなってきた!って。

 

人の変化はわかりやすいのですが、自分の変化は「唱えているだけ」だから、全然感謝や感動がない。

 

花粉症が遺伝子コードを唱えて治っても「これって、唱えたからじゃなくて、自分の耐性がついたからじゃない!」とこの私ですら思ってしまって「遺伝子コードなんて!」と自分のことになると全く感謝がない。

 

ジョギングをしていて「お腹がイタタ!」となって「ここでリタイヤか!」となった時に、遺伝子コードを唱えて「痛みがなくなって復活!」とまた元気に走れるようになっても、すぐに忘れちゃう。

 

不思議よね!

 

これって、遺伝子コードを自分でただ唱えているだけであまり大したことをやっている感覚がないから感動がないんだよね。

あとは帰属理論というものが関係している。

 

わかってはいるんですよ、心理学の理論的には。

 

でも、今回は、本当に「寝ても起きても痛い!」とずっと苦しんでいて「もうサーフィンもできないかも!」と海上で腹を括ったぐらいですから、相当痛かったんだと思います。

 

おそるべし!遺伝子コード。

 

福岡の講演までに嫉妬に対応する面白い遺伝子コードをいろいろ用意していきます。

 

こんなことをきっかけに、なんだか、福岡に行くのが楽しみになってきた。

 

大嶋 信頼

 

 

 

 

 

 

 


2019/08/03

ルームメイトのリックは、教科書を3回読んだだけですべて覚えることができて、物理でも生理学でもほぼ100点が取れてしまう。私の料理にダメ出しをしてきたペリーは、授業を聞いているだけでポイントを押さえ、ノートをしっかりとっていて、ノートを見直すだけで試験勉強は完ぺきになっていた。

 

かっこいい寮のリーダーのフレッチマンは、いつ勉強をしているのかわからないような感じだったが、成績優秀生徒である。同じ心理学の授業をとっていたベンは、高校時代からの彼女と一緒にイチャイチャしている時間の方が長いように思えたのだが、クラスでトップの点数だった。

 

私は「こんなに勉強をやってますよ!」というアピールをカフェテリアでも、図書館でも、そして寮のトイレにまでも教科書を持ち込んでやっていた。でも、ちっとも内容をちゃんと理解できていないし、覚えられない。ルームメイトのリックが一度「ちゃんと内容を理解したかテストしてやる」と私の教科書を取り上げて、問題をだしてくれたが「全く答えられない!」という自分に愕然とする。

 

あれ?自分では勉強をしていたつもりなのに、質問されても全く答えられない。

もちろん英語だから、自分の中に浮かんだ日本語が英語に変換できない、というハンディーキャンプも考えなければならないのだが「え?日本語でもまったく浮かんでこない!」となっていて頭は真っ白になっていた。

 

リックが「お前、あれだけ勉強をしているのにちっとも理解していないじゃないか!」と私が最も言われたくないことを言われてしまって「ガーン」と目の前が真っ黒になって涙目になる。

日本の学校でいじめられていたときのようにわなわなと震えてきてしまう。

 

リックは「時間だけ勉強をやっていたって駄目なんだぞ!」と私にダメ出しをする。

だから勉強ができない生徒をサポートしてくれる補助教員に助けを求めろ、と言ったんだ!と言わんばかりの態度だった。

 

私は、知らない人に弱みを出して助けてもらう勇気がない。

ルームメイトのリックにやられたように「え?こんなにあなたはわかっていないのに、なんでこの大学にいるの?」という目で見られるのはわかりきったことで、そこで恥をかくのが死ぬほど嫌だったので「自分で何とかしなければ!」と思ってもがき苦しむ。

 

でも、その結果がリックが言った通り「勉強をやっているつもりになっているけど内容を全く理解していない」という惨憺たる状態。

 

リックにそんなことを言われて、私は傷つき「もう、だれにも相談するもんか!」と心を閉ざしてしまう。

 

それまで以上にひたすら勉強をするフリをして、教科書とにらめっこを長時間する。

 

何度も同じ行を読んでしまって先に進まないのはちっとも変わらない。

そして、いつの間にか1時間が経過して、あっという間に4時間が過ぎてしまう。

 

私の頭は、ただひたすら同じ行を読んでいるだけではなくて、勉強ができなくて母親から引っ叩かれたことが急に思い出されて、そこから学校でいじめられていた記憶がよみがえってきてしまい「悔しい!」と怒りまくる。そして、怒って復讐のことまで考えてしまって、時間が無駄になる。

 

そう、集中して教科書の内容を理解しようとすればするど、過去の嫌なこと、リックに言われた最悪なこと、そして授業中にほかの生徒の私に対する失礼な態度、などが次から次へと浮かんで来て、私の頭の中を泥まみれのように汚していく。

自分が思い出していた最悪なことは記憶しているのだが、教科書の中身がちっとも入っていかない。

 

寮の連中やクラスメイトはスムーズに勉強ができるのに、どうして自分はこんな状態になってしまうんだ、と浮かんできてしまう親を恨み、いじめっ子たちに復讐を誓いたくなる。そんなことをすればするほど「時間の無駄」となってしまうのはわかっているのだが、何かに集中しようとすればそれが頭の中で止まらなくなる。

 

振り返ってみたら、物心ついたころからずっとそうだった。

集中して何かをやろうとすると、嫌な記憶が襲ってきて、それにとらわれて集中することができなくなり、白昼夢の世界に逃げ込んでしまう。

 

そして、集中できなくて勉強ができなくて人から馬鹿にされて蔑まれることで、自分の悪夢が現実になる。

 

その馬鹿にされてさげすまれた体験がまたさらに加わって、集中しようとするときに襲い掛かってきて私をがんじがらめにして妄想の世界へと引きずり込んでしまうので、現実の世界に生きられなくなっていた。

 

この時、私の最悪を想定する能力は「ここからどんどん落ちこぼれて、授業の単位が取れずに授業料を無駄にして、そしてあの実家に帰ることになる」という結果が見えていた。

 

実家に帰って、クーラーが付いていないトラックに乗せられて汗だくになりながら工事現場に向かう。

 

工事現場で土木作業をやりながら「本当だったらアメリカの大学を卒業できたのに」と後悔がおそってくる。仕事に集中できずに現場監督から怒鳴りつけられて、ほかの作業員たちから軽蔑されてしまう。誰からも見向きされなくなり、助けてもらえなくなる。そんな周りの連中に対する怒りにまみれてさらに仕事に集中できずに仕事でミスをして、事故を起こしてどん底へと沈んでいく、というシナリオが私の中にあり、それが現実になるとわかっていた。

 

その最悪なシナリオが嫌だから、もう私は捨て身でやるしかない。

 

子供の頃から母親に「あんたはちゃんとノートに書き写さなきゃ覚えられない」と嫌というほど言われていたので、それを実践してみるために教科書を書き写すことをしようとしたが、自分の字が汚いのが気になってしまって「こんな汚い字を読み返すのは無理」とせっかく書き写したものが全く頭に入っておらず、ものすごい時間とノートとインクの無駄になってしまった。

 

人と接触をするから、嫌な思いをさせられて勉強に集中できなくなる、と思って、人との接触を断とうとする。

 

これは子供のころに何度も試したことがある。

 

いじめっ子を無視しようとしたり、嫌な子とかかわらないようにする、という努力をしてみる。

 

でも「関わらないようにしよう」とすれば、なぜか「相手がかわいそう!」という気持ちが湧いてきてしまって「黙っていられない」となって、再びいじめっ子にかかわっていじめられる、ということを繰り返してた。

 

寮でも「ルームメイトに嫌な思いをさせられるから無視をしよう」と決心するのだが、なぜか「リックがかわいそう」となって自分から話しかけ、再び嫌な思いをしてしまって、それが頭の中をめぐって「集中できない」という繰り返し。

 

どんな人間に対しても無視をしようとすると「かわいそう」という気持ちになって、そして私は余計な一言を相手にかけて、相手から不快な言葉が返ってきて、それが頭に残ってしまう。

 

そんな頭の不自由さがあったから「こうなったらみんなを敵視しよう!」と思ったのかもしれない。

 

寮の連中が週末に、いつも一人でいる私に「一緒に映画を見に行こう!」とか「メキシカン料理を食べに行こう!」と誘ってくれても「こいつらは私の足を引っ張ろうとしている!」と思って「結構です!」ときっぱりと断るようになった。

 

夕食なども「こっちに来て一緒に食べないか!」と誘われても、心の中のハイエナが「ガルルルル!」と相手を威嚇するように吠えていて「いや、一人で食べる!」と拒否をする。

 

拒否をして、自分の邪魔をする周りの人たちを断ち切ったら、自分の能力が開花してちょっとは勉強ができるようになるかもしれない、という淡い期待をもっていた。

 

でも、周りの人とのかかわりを切って、一人の世界に入れば入るほど、孤独と怒りが増すだけ。

 

その怒りがエネルギーとなって勉強に集中できるようになるのか?と思っていたが、そうはならずに怒りは私を過去に連れて行って、目の前の教科書から遠く離れさせてしまう。

 

孤独になれば、そこから集中力が増すのか、と思っていたが、孤独になればなるほど、外で楽しく過ごしている連中のことが気になり、心ここにあらずとなって読んでいる内容が全く理解できなくなっていた。

 

それでも、怒り続け、そして孤独と闘いながら私はひたすら勉強をしてるふりをする。

 

このままこのように続けていても全く何も変わらないのがわかっていながらも、その他の選択が今の自分には考えられなかった。

 

(つづく)

 

アマゾンの「催眠ガール」(清流出版)のレビューを書いてくださってありがとうございます。

 

先延ばしの女王、と書いてくださってありがとうございます。大阪の講演会は楽しかったです!!サイン会は、なんだか皆さんとつながる瞬間がとてもうれしかった。普段は5時間で読み終わるって、すごい集中力!!それが2日間かかったって、催眠のお師匠さんが喜んでいらっしゃる。読後感想は、伝わってきます。めちゃめちゃうれしい。夏目ちゃんが結婚して子育て、って書いてみたいな〜。いや、みなさんの無意識に引っ張られていく〜。どんどん想像が膨らんじゃいますね。脳内会議が開催されない、ってわかるな〜。それが無意識の状態。そして、しーんとしすぎて不安になる、というのも「私もそれ、お師匠さんの催眠で体験した!」と懐かしい感じになっていました。認知症みたいじゃん!というのがまさに催眠状態で無意識の力を使ってる。先延ばしの女王ってすごいことが起きてますね。うれしい!

 

夏目のように、と書いてくださってありがとうございます。書いてくださったのも無意識が働いているんですね。この本を読めば、お師匠さんに会える、というのはうれしいな〜。そこがこの本の一番大切な部分です。あの「無意識さんの力で無敵に生きる」を読んでくださってお師匠さんを身近な存在として感じてくださっているのはすごい。無意識に出会って、そして無意識がいつもともにいてくれる。お師匠さんはそんな象徴のような気がしています。無意識では常にお師匠さんとつながっている。それが過去でも未来でも。素敵なスクリプトをありがとうございます。ちんたらとした速度が無意識さんのペースで、催眠で無意識の世界に誘ってくれる。無意識がそんなことをさせてくれるようになったのはうらやましい!

 

感謝!!

 

大嶋 信頼

 


2019/08/02

毎日、朝の8時から授業が始まって、そして夕食の時間までみっちりスケジュールが詰まっているのだが、水曜日だけは「あ!夕食までに2時間空いている」となっていた。

 

いつも勉強のことばかり考えていて「勉強に集中できない」と自分を責めて苦しむ、ということをしていたけど、この水曜日の2時間だけは「わーい!」という感じで近くのスーパーに買い物に出かける。

 

寮から歩いて20分のところにスーパーがあって、そこに飲み物や食べ物を買いに行くのが好きだった。

 

買うものは大体決まっていて、カフェインが大量に入っているマウンテンデュー48本のケース。寮にも自動販売機があるのだが、スーパーでケース買いをした方が半額になるので、毎週、水曜日になると「買いに行かなきゃ!」という感じで一人で歩いて行く。

 

マウンテンデューだけ買ってさっさと帰ればいいのだが、私は、町の小さなスーパーの食材を見て回るのが大好き。

だから、野菜コーナーから始まって「あ、今週はレタスがちょっとしおれていて高い」とか「あの玉ねぎ新鮮そうだな」などと見て回って、それをどんな風に調理するのかを自分の頭の中で想像して楽しんでいた。

 

一番大好きなのはお肉コーナーで、日本にいた頃に「ステーキをお腹いっぱいに食べたいな!」と夢にまで見ていたのが、ここでは食べきれないほどの大きな肉が「え!300円!」といいう感じの安値でテンションが上がってしまう。

 

でも、寮生活をしてカフェテリアで食事している私には一切関係ないのだが、それをどんな風に料理をするのかを頭の中で想像しているのが楽しかった。

 

そんな時は、勉強とか英語のこととかを一切忘れて、料理のことに集中することができる。

別に、本当に料理をするわけじゃないのに。

 

田舎のほとんど人がいないスーパーで、結局私はマウンテンデューとスナックしか買わないと知っている店員にちょっと睨まれながら、空の買い物かごを持って、食材を吟味して回る。

 

この地域の人があまり食事にこだわらないのか、それともそのスーパーの経営者が努力をしないからなのか、何度も通っていると「あれ?あまり食材を変えないんだ!」ということに驚く。

 

日本だったら、季節ごとに食材が変わって、魚などもその時期に新鮮なものが並んだりする。

 

海から最も離れたこの地域では「やっぱり魚はないよな!」と思って見ていたら、冷凍コーナーにちゃんと「ナマズ」とか

「赤魚」が並んでいた。でも、いつまでたっても在庫が減らないことから「やっぱりこの地域の人って魚を食べないんだよな」というのがわかってくる。

 

確かに、カフェテリアの食事でも魚をあまり見たことがなかった。

 

そんなスーパーの食材の品揃えから、その地域の人の食卓が見えてきて、ちょっと楽しくなってくる。

 

そして、僕だったらこんな風に調理するのになぁ、と何のために、そして誰のためにそんな想像をしているのかわからないのだけど、それをしているのが好きだった。

 

あなたは料理人になりたいの?とこんな私の頭の中を覗かれたら思われてしまうかもしれないが、それは「NO!」だった。なぜなら、私みたいな薄汚れた人間が人に食事を作って出す、ということは考えられなかったから。

 

自分みたいな汚れた人間が触った食材を人に食べさせるなんて、とんでもない、と思っていたから、そんな選択肢は私にはなかった。

 

なぜ、こんなに自分が汚れている、と思うのか?

自分の中では、子供の頃からいじめられてきて惨めな思いをしてきたから自己肯定感が低くて、そして常に人に対して「私なんかと話をしてもらうのは申し訳ない」と思ってしまう。

その延長線上に「自分が触った食材を人に食べていただくのなんて申し訳ない」というのがあったのかもしれない。

 

そんなことに気がついたところで、その感覚が解消されるわけでは無い。

 

ある時、寮のリーダーが私の部屋のドアをガチャっと開けて「おい!お前、日本人だから料理は得意だろ!」と声をかけてきた。

 

寮のリーダーのフレッチマンはスポーツマンで長身のイケメンで学校で一番のモテモテ男だった。

 

そんなかっこいいリーダーから声を掛けられて、私は嬉しくなって、久しぶりに飼い主に声をかけてもらった子犬のように「うん!うん!」と思いっきりうなづいていた。

 

そんな私を見て寮のリーダーは「明日の夕食は寮でバーベキューをやるから買い出しと調理をお願いする!」と言って、私にお金を渡してそして去っていった。

 

ステーキ肉を買ってきて、まな板の上で一枚一枚、ルームメイトのリックから借りたケニアのマサイ族が武器にしているルング棒で肉を叩いて繊維を切って柔らかくする。そして、塩コショウ、ニンニクをこすり、下味をつけてトレーに肉を重ねていく。

それをやっているのを見たペリーが「おい!肉に前もって塩コショウを振るなんて普通はしないだろ!」とダメ出しをしてきた。

 

こんな時は英語が喋れないのが役に立つ。

 

親指だけ立てて、にっこりすればペリーは「おー!それが日本の調理の仕方なんだ!」と感心して、私は再び親指を立てて「そうだ!」という合図をして、ペリーは嬉しそうに部屋から去っていく。

 

下ごしらえにはものすごい時間がかかったが、あっという間にみんな食べてしまった。

 

下ごしらえをしていた時にダメ出しをしてきたペリーが「もっとないのか?」と聞いてくる。

 

そして、食べ終わった寮のみんなが口を揃えて「こんな美味いステーキはこれまで食べたことがない!」と言っていた。

 

そんな風に人から感謝されて喜んでもらう、という体験はこれまでの人生で一度も味わったことがない。

 

いや、本当に人生を何度も振り返ってみても、一度もそんな体験をしたことはなかった。

いつも、人からバカにされて蔑まれて、利用されて捨てられる、という繰り返し。

 

だから、今回もこんな風に感謝されても利用されるのでは?と疑っている、とはその時は全く感じなかった。

 

みんなの笑顔からは、そんな不快なことは一ミリも感じることがなくて「こんなことは初めて」と私もびっくりする。

 

多分、こんな体験をしたら「料理人になりたい」と普通の人だったら思うのかもしれない。

 

だって、生まれて初めて人から喜ばれて感謝されたわけだから。

 

もちろん、私だって、その時にそんなことを想像してみたが、すぐに現実に引き戻されてしまう。

 

私が、調理をしたものを人に食べてもらうなんて申し訳ない、という気持ち。

 

なぜって、こんな汚れた私が触った食材を人に食べさせる、そんな罪深いことはできない、という感覚になり、浮かれた気持ちはすぐに打ち消される。

 

こんな罪深い汚れた人間が触ったものを人に食べていただくなんてできない。

一度だけだったら、私はそんなに気にしないのだが、それを相手に連続して出すことで、私の罪深さに汚染された食材によって相手に悪影響を及ぼしてしまうような感覚が私の中にあった。

 

この時、自分は、この罪深い薄汚れた感覚から逃れるために、私は「勉強をしなきゃ」ということになっている、というのがなんとなく見えてきた。

 

「勉強すれば」この薄汚れた気持ちから解放されるような気がしていた。

 

でも、薄汚れた気持ちが私の足を引っ張り、勉強にちっとも集中させてくれない。

だから、いつまでもこの薄汚れた罪深い、生きている価値がない感覚から逃れられないでいた。

 

(つづく)

 

アマゾンの「催眠ガール」(清流出版)のレビューを書いてくださってありがとうございます。

 

読みにくい感じもしましたが、と書いてくださってありがとうございます。スクリプトって意識を混乱させて、無意識の状態にする目的があるから「混乱する」という感じになることがあります。人によって反応は様々ですが、記憶と感情が統合されたり、ということが無意識下で起きて、知らず知らずのうちに本来の自分の姿に戻っていく、ということが起きたりします。無意識ですから、その場で起きる、というよりも寝ているうちに眠りの中で無意識が働いてスクリプトに撒かれたタネによって、様々なことが起きていきます。

無意識の世界ではポジティブとかネガティブがない。許しも悔い改めも全く必要がない素敵な世界を夏目ちゃんという主人公を通じてお師匠さんの催眠が見せてくれたような気がしています。読んでみて、改めてお師匠さんの催眠の世界ってこんなだったんだ!と私もちょっとびっくりしました。

 

とにかく面白かった、と書いてくださってありがとうございます。初レビューをしてくださって嬉しいです。こんなに短い文章の中から、なんだかものすごく伝わってきます。なんだか同じ素敵な景色を見ることができた一体感をこれを読ませていただいて感じております。

 

愛にできることはまだあるかい、と書いてくださってありがとうございます。はじめてレビューを書いてくださって嬉しいです。タイトルがめちゃくちゃかっこいい!映画っていいですよね!!鑑賞中に催眠のことを思い出したのは無意識の人だからかも知れません。映画で体験なさったことって、スクリプトを使って催眠状態に入っていただく手法ですね。意識が混乱させられて、そして無意識の世界に触れることができる。そこに深い共感があり、一体感が感じられるようになる、という流れですね。ストーリーの細部がパッと思い出せない、というのがまさに催眠状態。「読む催眠」と書いてくださったのは嬉しいです。あの主題歌で夏目ちゃんが走っているのは泣けてくる〜。素敵!「愛〜!」ですよ!愛!とお師匠さんが笑っている気がします。いつも応援してくださってありがとうございます。

 

次のステップに進む時は苦しい!と書いてくださってありがとうございます。すごい体験をされていますね。仲間〜!そして「すみません、私のせいです」と深く反省をしてみた。夏目ちゃんのジェットコースターのお話がとってもわかりやすいです。だんだん変化していって、ジェットコースターのように振り回されるのではなくて、フリーフォールになった、というのはうまい!!遊園地〜。最後の一文の後のあの挿絵は泣けますよね。思い出しただけで泣けてきた。嬉しいな〜。優しく見守られている。

 

何度も寝落ちしながら完読、と書いてくださってありがとうございます。本は持っているだけで脳のネットワークで持っている人たち、そして著者と繋がることができる、と私は思っています。持っているだけで、ご利益が〜!どんだけ〜!この本は読んでいただけたんですね!!すごいっす!嬉しいな〜、お師匠さんと会ったことがあるような感覚になっていただけて。これが無意識で脳のネットワークです。無意識でつながって、お師匠さんとの出会いがそこにあります。そして、伝わってくるあのお師匠さんからの感覚が。感謝!!

 

「催眠ガール」拡散してくださったら嬉しいです。

 

夏目ちゃんはその後どうなるのか?

 

大嶋 信頼

 


2019/08/01

最悪を想定する能力は、子供の頃からあった。

 

でも、最悪ばかり想定していてピークを超えてしまうと「なんとかなる」と妙な確信のようなものが自分の中に湧いてきて努力することをしなくなる。

 

まあ、最悪なことを想定することに頭が忙しくてやるべきことに集中できなくて、ちっとも勉強にも片付けにも手がつけられず、やがて「なんとかなる」という投げやりのような、確信のような感覚になる。

そして、現実にテストの場面や授業の中で「チーン!」と私の頭の中でリンが鳴って「悪夢が現実になった!」というのを繰り返す。

また赤点を取ってしまって、クラスのみんなから「勉強ができないやつ!」とバカにされる。そして、私立探偵のように人の秘密を暴く母親がカバンの底からクシャクシャになったテストを発見して、父親に報告する。

 

家に帰ってきたら、母親から怒鳴りつけられて殴られ、痛くて、勉強をしなくてこんなことになった自分が悔しくて泣いていると「なんでめそめそと泣いているんだ!」と父親に殴られ、そして息ができなくなって、床を転げ回る。涙と嗚咽が止まらなくなり、父親から「泣くな!」と叩かれ、さらに涙が止まらなくなり、パニック状態になり、そこから私の記憶が失われてしまう。

 

あの後、どうなってしまったんだろう?

 

「ハッ!」と私は、全寮制の学校の小さな図書館の机の上に教科書を広げながら、再び白昼夢に入っていたことに気がつく。

 

授業がすべて終わり、夕食をカフェテリアでさっさと済まして、寮の部屋に帰り、歯を磨く。寮の部屋にはベッドと机があるので、そこで勉強もできるのだが、自分の意志の弱さを知っているから「必ずベッドに横になってしまって寝てしまう」という自信があった。

だから、歯を磨き終わったら、ベッドの誘惑を振り切って「エイ!」と自分に鞭打って大量の教科書を抱えて図書館に行く。

こんなに重い教科書をいくつも抱えていても、ちっとも集中して読むことはできないのは知っているのだが「もしかして奇跡が起きて集中してたくさん読めるかもしれない」という淡い期待からどれも部屋に置いてくることができなくなっていた。

 

しかし私には一度も奇跡が起きたことはなかった。

 

図書館の机に座って、白昼夢の中に入ってしまい、子供時代の惨めで苦しい記憶が蘇ってきてしまう。そして、気がついたら図書館に入って1時間が経過してしまっている。

 

これではいけない!と思って給水機のところに行き水を飲み、そして再び先ほどの自分が陣取った机に帰ってくるまでに「あ!面白そうな雑誌がある!」と科学雑誌を手に取ってしまい、パラパラとページをめくり始めたら止まらなくなる。

 

科学雑誌も全て英語なので、単語がわからず理解はできないのだが、写真だけ見ているだけでもワクワクしてくる。

 

フッと時計をみたら「あ!いけない!1時間が経っていた!」という具合で慌てて机に戻ると、周りの人たちの冷たい視線を感じる。

 

そこで集中して勉強しないんだったら、場所を陣取るなよ!という周りの批判的な視線を感じてしまう。

そんなことは一言も言われたこともないし、そんなルールはないのだが、なぜか私は周りの視線からそんな責めを感じてしまって、居ても立っても居られない感じになって、寮の部屋に帰りたくなってしまう。

 

でも、ここで帰ってしまったら、周りの人たちから批判されて逃げ帰る惨めないじめられっ子の感覚に戻ってしまう気がして「ここから集中すればいいや!」と思って、気を取りなおし教科書を広げて集中して読もうとする。

 

そんな感じで集中しようとすると「カツカツカツ」と周りの人がシャープペンシルでレポートを書いている音が気になって、そちらに気を取られてしまう。あっちの人の咳払いが気になり、そして、こっちの人のひそひそ声が耳に入ってきてしまって「ちっとも集中できない!」と同じ行を何度も何度も繰り返し読んでいて、先に進まない。ちっとも頭に文章の中身が入ってこない。

 

図書館にいる人たちと頭の中で葛藤しながら、結局、2時間が経過してしまって「あーあ!全く勉強ができなかった!」という子供の頃からの同じパターンを繰り返していた。4時間も図書館の硬い椅子に座り続けていても「一ページも進んでいない!」という衝撃の事実が目の前にあった。

 

ものすごい敗北感と共に、私は暗い夜道を歩いて寮に向かう。

寮では、勉強に疲れてハイになった連中が元気に騒いでいる声が耳に響く。

そんなみんなが騒いでいる廊下を重い教科書を抱えて、うつむきながら歩く。力なく自分の部屋のドアを開けて、部屋に入るとルームメイトのリックが寝る準備をしている。

 

リックはコンタクトを取り、顔を洗ってベッドに座り、教科書を読みながら眠りにつくのがパターンとなっていた。眠る前に「おい!いつまでも起きているなよ!」と声を掛けてくれる。それは私を心配してなのか、それとも自分の睡眠が乱されることを嫌ってなのか、それが私にはわからなかった。

 

部屋からだいぶ離れたところに、シャワー室があって、いくつかのシャワーとトイレが一緒になっていた。みんなが寝静まった頃に、タオルを巻いて歩いて行って、熱いシャワーを浴びる。そんな時になぜか、いつも目から熱いものが溢れてくる。「なんでだろう?」といつも自分でも理由がわからない。

 

あー!さっぱりした!と髪を乾かし、そして部屋に戻ってきた時に、あの子供の頃からの「なんとかなるから、もういいか!」が頭に浮かんでくる。

 

明日、授業に行ったらなんとかなるでしょ!明日の試験はもう十分にやったからなんとかなるでしょ!と全く何もやっていないのに、こんなタイミングでいつも根拠のない自信のようなものが湧いてきてしまう。そして、このままベッドに入って眠ったほうがいいような気分になる。

 

最悪を想定する自分の能力が麻痺しているのかなんなのかがわからないが、これに従って悪夢の現実をこれまで見続けてきてしまった。

 

もう、そんな悪夢は見たくない、と「なんとかなるでしょ!」の声を打ち消して「えーい!」と思い切って机に座って、教科書を開いて読んでみる。

 

すると「あ!自分はちっとも教科書の内容を理解していなかった!」という事実がそこで初めて発覚する。授業中に先生がおっしゃっていたことを全く理解していないで、自分だけ間違って捉えていたことがわかって「あぶなーい!このまま勉強をしないで明日の授業に行ったらみんなの前でものすごく恥をかくところだった!」と最悪の悪夢がちょっとだけ回避できた気がした。

 

結局、授業が終わって7時間は机の前に座って教科書と葛藤をしていたことになるのだが、結果的に勉強ができたのは、睡眠時間を削っていたわずかな時間だけ。

 

他の連中だったら最初の図書館の4時間で、十分すぎる勉強ができて、そして成績もアップしているはずなのに、自分には集中力がなくてそれができない。こうして睡眠時間を削って、やっと昨日の授業に追いつくことができて、プラスマイナスゼロ。こんなことを毎日のように繰り返して苦しんでいた。こんなことをやっているからいくら勉強をしても成績は全く上がらず、心理学部なんか自分には到底無理なのかもしれない、という現実を認めなければならなくなっていた。

 

そう、いくら努力をしても、という言葉が自分にはふさわしくなかった。

努力しているフリしかできない。

誰にアピールをしているのかわからないが、やっているのは勉強をしているアピールだけ。

 

実際には何もやれていない。

「勉強をして頑張っていますよ!」というアピールはなぜしなければならないのかが自分でもわからなかったが、私は何かに怯えてそれをし続けなければならないような感覚になっていた。

 

そして、これだけ頑張っているのに、何もできるようにならないし、何も変わらないダメ人間のまま、というアピールを私は誰かにしていた。

 

それは誰に対してしているのだろう?と考え始めたら、いつの間にか私は布団に潜り込んで、深い眠りへとついていた。

 

もうちょいでその正体がわかりそうなのに。

 

(つづく)

 

アマゾンの「催眠ガール」(清流出版)のレビューを書いてくださってありがとうございます。

 

夏来たるらし、と書いてくださってありがとうございます。もー!素敵なスクリプトを書いちゃうから!!メタファーがかっこいい!このスクリプトを意識的に書いていたらかっこいい人ですけど、意識しないで書いていたら「無意識の人!」ですね。お師匠さん!すごいです!!いや〜!踊っちゃいますね。プロローグ、呼吸合わせ、ルーティーンと読む人の無意識にタネを残している。そう、耳タコのルーティーンがルーティーンという面白さ。そしてエピローグで感謝です。おっしゃる通り、この本は「無意識さんの力で無敵に生きる」と同じようにお師匠さんと一緒に書いた、ということで同じ匂いなんですね。すごいことになっています。こうして応援してくださる皆さんの脳と繋がって。だから、新しい小説の展開もとても書いていて面白いです。感謝!!

 

焼きそばパンを買いました、と買いてくださってありがとうございます。この本を楽しみにしてくださっていたんですね。嬉しい!あれ?これって今日のブログの内容と繋がっているじゃないですか!!まずい!この先のブログの展開のネタバレになる〜。あはは〜。やっぱりみなさんの脳に繋がって書いているんだなー。この本はあの苦しみから生まれてきたのかもしれません。私も嬉しいです!!

 

小説の形式、と書いてくださってありがとうございます。高校生の頃の精神状態の描写がすごい。そしてこの本を手に取るまでの葛藤がものすごくリアルに伝わってきます。そして本屋さんとのやりとり。お師匠さんとまた会えた!その喜び。無意識が働いていますから〜。もう、すでに無意識と出会っていて、この本で無意識さんとともにあることが確認できちゃう。そして、無意識の力を使って本来の自分の姿に戻っていきます。強く、美しく。

 

お師匠さんと大嶋先生、と書いてくださってありがとうございます。追いついてくださったんですね!!感動!!アホみたいに、良かった〜!がものすごく伝わってきます。おほほほほ!面白い催眠を体験していらっしゃいますね!!集中力が高まっていく感覚のトランス状態でございます。それを見事に使っていらっしゃったのがミルトン・エリクソン博士です。ちょっとネタバレをしちゃうと、集中していること以外のところが「無意識」なんですね。一点に集中していたら、そのほかが全て無意識になってしまう。私は、そっちの催眠状態も好きです。雑音の中でサティーのピアノを聴いているような感じで、サティーのあのメロディに集中している以外のところが無意識になって、その無意識があの曲に不思議な美しさを感じ取らせてくれる。あの人はすごいです。鹿の場面が大好き。最近ではあの場面を読むと泣けてきちゃう。なぜか。変化が起きる、起きないの一点に集中させて、他の部分が無意識に包まれて、いつのまにかちょっとずつ変わっていくのは、無意識さんの優しさかもしれませんね。表面で望んだことじゃなくて、本当に望んだ方向に無意識がいつのまにか連れて行ってくれます。

 

息子も夢中、と書いてくださってありがとうございます。ルーチンのコツをつかんでいますね!!なんでもルーチンにしちゃうと無意識が働いて面白い展開になります。いや、本当に私も同じことを思いっていました。レビューがすごくて、みんな知ってか知らずにやっていらっしゃるのかわかりませんがスクリプトがすごい!と思っています。催眠の講座を受けてくださったんですね。覚えていますよ〜!縄跳びですからね。あの講座の参加者の方もすごかった。夏目ちゃんのようにできちゃうんですから。そう、そして地味にひっそりと催眠は効いていきます。変化に気がつかないのが無意識さんの職人技〜。お師匠さんのと一緒!!わ〜い!小学生の息子さんいいなー。スクリプトの練習台になった息子さんが「うん、なかなかいいんじゃない!?」と言ったのは、私がお師匠さんに初めてスクリプトを読み上げた時の光景が浮かびました。うわ〜、その息子さんがこの本を読んでくださったんですね。涙が出てくるほど嬉しいです。息子さんのレビューにも感動しました。でも、この発言って、完全に無意識が働いていますね。私もこんな風に無意識の輪が広がっていけばいいのに!と願っています。友達に紹介してくださってありがとうございます。催眠で日本が変わっていく予感がします。感謝!!

 

「催眠ガール」をいろんなところで紹介して広げてくださってありがとうございます。

 

もっともっと催眠が広がってくれたら、と思っているので、拡散してくださったら嬉しいです。

 

こうしてレビューを書いてくださるのはものすごく嬉しい!!

そこに無意識は宿っています。

 

感謝!!

 

大嶋 信頼

 

 

 



新着記事

カレンダー

<< August 2019 >>
SunMonTueWedThuFriSat
    123
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728293031

アーカイブ

プロフィール

検索

オンライン講座

著書のご紹介

mobile

qrcode

others