2017/03/14

お師匠さんから催眠を習って「催眠って面白い!」と思っていたところに「息子が近所で問題を起こすんです!」という両親が相談にいらっしゃいました。

 

もちろんその息子さんは家でも大暴れをしていたのですが、近所の人たちにも「お前は○鹿だ!」とか「知○が低い猿だ!」と怒鳴りつけてしまいます(ケースは了承をいただいてかなり加工して書いてあります)。

 

もちろん、両親は近所の人にも謝罪をして、警察にも相談して、ちょっとでも問題を起こしたら病院に連れて行ってもらう手筈を整えていました。めちゃくちゃ優秀なご両親で「私は何をやればいいの〜!」と新人の私は頭が真っ白になってしまいます。

 

両親は、このまま本人が近所で迷惑を掛け続けてしまって、警察に病院まで搬送されてしまったら傷ついてしまうから何とか本人を納得させて病院に連れて行くことができないのか?という目的が明確な相談をされていました。

 

ボスに相談したら「そんな甘ったるいことをやっているから問題がどんどん大きくなるんだ!」と怒られてしまいました(確かに!定石通りにやるのが私たちの仕事なんです)。

 

でも、真剣に困った顔をしたご両親が私の所に相談にいらっしゃいます。

何にもできない私は、そんな両親の顔を拝見させていただくだけで胃が締め付けられるようにギューッと痛くなってきます。

 

そんな時、フッとお師匠さんの顔が浮かびます。

 

その瞬間、私の力がフッと抜けます。

 

そして、両親の話を聞きながら「息子さんが投げつけたラジカセが階段の下に見えていたんですね」1.2.3.4とやり始めた(見て!)。

 

すると「息子さんの怒鳴り声が聞こえてきたんですね」1.2.3.4(聞いて!)

 

さらに「息子さんから伝わってくる緊張感が感じられたんです」1.2.3.4(感じて!)

 

そうして「こちらの相談室にいらっしゃって家と同じようなレースのカーテンを眺めてらっしゃいますね」1.2.3.4(見て!)

 

それから「こうして息子さんの状況を整理していく私の声が聞こえていますね」1.2.3.4(聞いて!)

 

そうしたら「私の中である感覚を感じ始めているんです」1.2.3.4(感じて!)。

 

もちろん、駆け出しカウンセラーで催眠の技術なんて全くなかった私は、この先の展開なんて全く考えていませんでした。

めちゃくちゃ優秀な両親がこれまですべての手を尽くしていたから、私なんかの案なんて出したところで全く無意味だったんです。

 

でも、見て、聞いて、そして感じて!を繰り返していたら、私の中からあるストーリーが浮かんできます。

 

優秀で頭がいい息子さんが、近所の人を見れば「自分とは違っているかもしれない」という悲しい気持ちになっていました。

 

そして、その人たちの声がまるで悲しいメロディーのように頭に響いて来ていたんです。

 

もしかしたら、目の前にいる両親も「自分のことをわかってくれないのでは?」とある感覚とともに、つい自分の中のその感覚を打ち消すために大きな声が必要だったんです。

 

すると、あるカウンセラーが「本当にあなたはみんなと違っているの?」という疑問をその子に投げかけたんです。

 

そうなんです。違っているようで、違っていないのかもしれない、と不思議な疑問をその子は受け止めたのか、受け止めなかったのか。

 

そのカウンセラーはみんなと同じなのか違っているのかの判断ができるのかもしれないって興味を持ったんです。

 

こんなストーリーが頭の中でキラキラと展開していきます。

 

見て、聞いて、そして感じて、を繰り返して頭が真っ白な無意識さん状態になった時に。

 

そして、両親に「息子が本当に優秀なのかどうかカウンセラーは非常に興味を持っていたんだよ」とぽろっと息子さんの前で漏らしてください、とお伝えしました。

 

両親はすべてを悟ったように「うん」とうなづいてそのまま帰っていきました。

 

そして、次の週になんと、これまで病院も相談機関も拒否をしていた息子さんが相談室の待合室に座っていたじゃないですか!(無意識さんスゲ〜!)

 

そして、息子さんは、私の前に座って、私がいかに愚か者であるかを教えてくださいました。

 

そんな時も「目の前に座っているカウンセラーがアホに見えているんですね」と息子さんに返します(見て!)。

 

そして「カウンセラーの言っていることが全く意味のない言葉に聞こえています」1.2.3.4(聞いて!)

 

さらに「自分の方が遥かに優れている!と感じられているんですね」1.2.3.4と(感じて!)

 

こんなことを息子さんのお話を聞きながら繰り返しています。

 

そうして頭が空っぽになって”無意識さん”の状態になった時に「そうだ、確かに愚か者の私には、この方の優秀さを測ることができない!」と感じられたんです。

 

すると息子さんは「誰だったら僕の優秀さを測れるんですか?」と興味津々になります。

 

その時に、私が尊敬する病院の先生の顔が浮かんできて、あの病院の先生だったらあなたの優秀さを測ってくれるかもしれない、と。

 

すると、息子さんは「今からそこに行きます!」と目をキラキラさせながら言い出しました。

横にいる両親はなんだかものすごくうれしそう(あれ?)。

 

私は、これまでの経過を病院に電話して伝えて、意見書をすぐに書き上げて息子さんに持たせ病院に向かってもらいました。

 

私としては「病院で知能検査をしてもらって、本当の優秀さを測ってもらったら落ち着くのかな?」と無意識さんの用意してくださった展開を楽しみにします。

私がイメージしていたのは、知能の検査だったんです。

 

そして、その夜に、両親からうれしそうな声で「先生!息子!ちゃんと入院できました!」と報告がありました。

 

私は、内心「え〜?検査じゃなかったの〜?無意識さん!」と叫んでいたのですが、そうなると知っていた体で「そうですか!」とお伝えしました。

 

○○先生が「よくここまで頑張りましたね」と息子をねぎらってくれて、息子は入院することができたんです、と仰っていただいた時に、私の目から涙があふれてきてしまいました。

 

その先生が息子さんに伝えた一言を聞いて「人っていいな〜!」と心から思えた瞬間に不思議と涙が止まらなくなったんです。

 

無意識さんの紡ぎだすストーリーは凄い!と新人カウンセラーはただ、驚嘆するしかなかったんです。

 

本当に自分のちっぽけさを感じた瞬間でした。

 

 

 

 

 


2017/03/23


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